ウィッグは地毛の代わりにさまざまなヘアアレンジが楽しめるアイテムです。いつでも好みのヘアスタイルが楽しめるように、ウィッグの管理やお手入れには注意していきたいところです。
地毛と違い、ウィッグの毛は一度抜けてしまったら元に戻せません。取り扱いによっては劣化が進んでしまうので、正しい方法でお手入れをしましょう。
ここでは、ウィッグを扱う際に注意したいポイントを7つに分けてご紹介します。
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ウィッグオイルをこまめに塗る!シリコンスプレーもおすすめ
ウィッグには専用の「ウィッグオイル」というものがあります。汚れをブラッシングで落とし、シャンプーで洗い流した後は、乾かしてそのままにせずオイルを塗ってすべりを良くしてあげましょう。
特にロングウィッグやカール付きのものは髪の毛同士が絡まりやすいので、オイルをスプレーボトルから吹きかけて、絡みを少しずつほぐしてください。
適度なメンテナンスは、ウィッグのもちを良くしてくれます。髪の毛が絡まったままだとせっかくウィッグをかぶってもスタイルが決まりませんし、ウィッグの毛がパサついているとひと目でお手入れを怠っているのがわかってしまいます。
人毛の場合はオイルを使うことで髪がパサつくのを防いでくれますし、化学繊維(ファイバー)素材のウィッグは、摩擦で静電気が起きて切れ毛や縮れ毛の原因になるのを防ぎます。
地毛にヘアミストやヘアスプレーを使ってなめらかな指通りにするのと同じで、ウィッグオイルは乾燥からも守ってくれるアイテムです。このお手入れを行っているかいないかで、ウィッグの質や持ちが変わります。
シリコンスプレーを使えばウィッグのバサつきが抑えられる
ウィッグのケアアイテムでは、「シリコンスプレー」もおすすめです。シリコンスプレーは、市販のコンディショナーなどに含まれるシリコン成分が配合されており、ウィッグのバサつき感を抑えてくれます。
インターネットからも手軽に購入できますが、ウィッグの専門店や購入したお店で取り扱っているものを購入すると失敗が少ないでしょう。
シリコンスプレーの使い方は、ブラシにスプレーを吹きかけてからウィッグの毛にブラシをかけるだけ。ウィッグに直接吹き付けるとベタつきの原因になるので、ブラシを経由するようにしてください。
洗濯のしすぎはNG!2〜3日に1回の頻度がベスト
ウィッグは外に身につけていくものなので、表面にはホコリや目に見えにくいゴミなどが付いています。内側は地毛や頭皮に接しているので、汗や皮脂によって取れにくい汚れや臭いが染み付く可能性もあります。
ウィッグは大体2〜3日に一度の間隔で洗うのが理想的とされています。時間にすると約60時間となり、それ以上おくと皮脂やホコリ汚れが重なって、臭いや不快感の原因になる可能性があります。
ウィッグはあまり洗いすぎないほうがいいといわれますが、毛に使われている材質が人毛でなければ、放置しすぎると絡まりがひどくなる可能性があります。やはりこまめにお手入れをしたほうがよいですし、ウィッグ専用のシャンプーを使えば安全に汚れを洗い落とすことができます。
ウィッグが入るサイズの洗面器や、洗面所のシンクを使ってウィッグをぬるま湯に浸し、シャンプーや石けんなどを使ってよく泡立て、髪の毛や内側に付いた汚れをきれいに洗い落としましょう。
ゴシゴシとこする必要はなく、強く引っ張ったりするのはNGです。繊維が傷んだり、毛が抜けたりする原因となります。やさしい力をかけながら、お湯ですすぎ落としてしっかりと乾かすようにします。
洗濯の間隔は約60時間なので、特に汚れていなければ毎日洗う必要はありません。夏場でも、1日中涼しい環境に居て汗をかかなければ、その日は洗濯をしなくてもよいでしょう。
ただし一度外に出ると髪の毛の間に小さなチリやほこりが付着し、そのまま取れずに巻き込んでいる可能性があります。軽くブラッシングをかけて余分なものを落としておくと衛生的です。
水分を付けたままにしない!ドライヤーや扇風機で早めに対処する
化学繊維は比較的水分には強いのですが、人毛は水分が付いたままであるとカビや傷みの原因となります。水が付いていても自然乾燥させたり、遠くからドライヤーや扇風機の風を当てたりすることで水分が飛んでいきます。
洗濯してから水分が乾燥していないうちに装着すると、地毛から皮脂や雑菌が付着し、ウィッグに残っている水分で繁殖して、いやな臭いが出ることもあります。
ウィッグをかぶる前には、髪の毛や内側の部分が濡れていないかチェックするようにしましょう。
お手入れはやさしく!ブラッシングは使ったらそのたびに行う
ブラシをかけたりぬるま湯ですすいだりするときは、力のかけすぎに注意しましょう。人工毛を使っているものはちょっとした力でも簡単に毛が抜けてしまいます。
ウィッグの洗濯(シャンプー)は2〜3日に一度でも、ブラッシングはウィッグを使ったらそのたびに行いましょう。地毛用のブラシではなく、必ずウィッグ用ブラシを使ってください。
ブラッシングは毛先から順にとかしていく
ブラッシングの手順としては、毛先から順にやさしくとかします。上から下へとかけたくなりますが、絡まっている箇所が下に移動して複雑な絡まり方になってしまうので、下からほぐして徐々に上へとブラシをかけるのが正解です。ウェーブやカール付きのウィッグは力をかけるととれてしまうので、特にやさしく扱うようにしてください。
ウィッグの洗濯やシャンプーのときにも、力をかけて押すのは避けてください。毛が抜けるきっかけになりやすいですし、化学繊維は摩擦に弱いので、洗剤をしっかりと泡立てたら泡で髪を軽く撫でながら汚れを浮かし落としていきます。
市販の洗剤は洗浄力が高いので注意!
市販のシャンプーや洗剤は洗浄力が強いので、耐久性の高いウィッグ以外には不向きです。人毛なら市販のシャンプーでも問題ありませんが、化学繊維製のウィッグは化学製品に適したウィッグ用のシャンプーを使用したほうが安全にお手入れできます。
ウィッグを購入するとき、店頭にウィッグ用シャンプーが販売されていれば、あわせて購入しておくと安心です。
通気性のよい日陰に専用のスタンドで保管する
ブラッシングや洗濯を行い、お手入れが終わった後は保管場所としてウィッグスタンドを使うのがおすすめです。帽子と同じように気軽に置いて使う方も多いのですが、ウィッグは通気性のよい日陰で保管するのがベスト。棚やテーブルの上に置きっぱなしは絶対に避けましょう。
ウィッグを袋やケースに入れて保存するのも、髪にクセが付いてスタイリングが変わってしまうため、あまりおすすめできません。
専用のウィッグポーチも販売されていますが、狭いポーチの中に収納するときに髪がもつれますし、折りたたむとクセがつく可能性があるので、スタンドにかけるのがベストです。
ウィッグのもちは、日々のお手入れと保存にかかっています。お手入れをどれほど丁寧にしていても、保存方法が雑であると、次に使うときに思ったとおりの仕上がりが手に入らない可能性もあります。
ウィッグスタンドは三脚のような形をしているものが一般的で、平面に立てて置いて使います。スタンドの先端は丸く折り曲がり、頭部のような形状をしています。丸みを帯びた部分にウィッグをはめこむだけで保管できるので、髪の毛を折りたたんだり、無理に押し込む心配がありません。
ウィッグハンガーなら場所を取らずに保存可能
机やテーブルの上にウィッグスタンドの置き場所がない方のために、クローゼットのポールに引っ掛けて使う「ウィッグハンガー」も登場しています。ハンガーのようにして引っ掛けられるので、置き場所をとる心配がなくこちらもおすすめです。
ウィッグに使われている毛質は大きく分けて人毛と化学繊維(人工毛)の2種類ですが、どちらも基本的デリケートで、形状記憶をする素材ではありません。無理な力を加えることのないように、専用のウィッグスタンドを用意しておきましょう。
スタンドやハンガーにかけたら、ウィッグの外側にほこりが付かないように上から布をかけておきましょう。
クセのついている場所はほぐさない&力をかけない
力をかけないことはもちろんですが、カールやハネなどクセが付けられている場所は手でほぐさないようにしましょう。力をかけずゆっくりと押し洗いをして、汚れを浮かせて落としてください。
カールが崩れてしまったら、ウィッグを毛先からブラッシングして指の太さ程度に毛束を取り、毛先からカールのサイズに合わせてねじっていきます。髪の全体が濡れるまで霧吹きスプレーで水をスプレーし自然乾燥させれば、カールが自然に戻ります。
直射日光の当たる場所で保管しない!髪色が退色する原因に
ウィッグは水分だけではなく直射日光にも弱く、太陽光を受け続けると劣化が進んでしまいます。直射日光を受けた部分は温度が60度近くまで上がる場合もあるので、保管の際には日の光に当たらないよう注意が必要です。
日光の影響を受けると、髪色は徐々に退色していきます。特に人毛は日光に弱く、黒が茶色、茶色が明るい茶色とだんだん色が変わっていってしまいます。自然な色合いというよりもくすんだようなまばらな退色になるので、髪色に統一感がなくなってしまうのです。
ただでさえ外出時に身に付けることの多いウィッグは、どうしても直射日光に当てられてしまいがちです。ダメージによる色抜けを抑えるためにもお手入れは丁寧に行い、どの程度退色してしまっているかチェックしましょう。
色の違いがはっきり見られるときが、買い替えを検討するタイミングです。
耐熱ファイバーを使ったウィッグなら180度まで耐えられる
人工毛は化学繊維を使用しているので、人毛ほどダイレクトに日光の影響は受けません。しかし長期間紫外線にさらされていると同じく劣化が進み、色あせを起こすので、こまめに髪色や髪質の変化をチェックしてみてください。
陰干しが難しい場合は、日光による退色に強い「耐熱ファイバー」を使っているウィッグがおすすめです。温度にして140度から180度まで耐えられるので、ドライヤーで乾かしたり、コテでカールを付けてアレンジしたりできる優れもの。
うっかり日干ししてしまってもすぐに劣化する心配がなく、化学繊維でも自然な毛質で摩擦に強いので、長く使い続けたい人におすすめです。通常の化学繊維は摩擦に弱いのですが、耐熱ファイバーは強度にも優れています。
耐熱ファイバーを使用しているウィッグはインターネットからでも購入できますが、できれば直接かぶって感触や見た目をチェックしたほうが安心です。
場合によっては人毛のほうがナチュラルな仕上がりになる場合もあるので、ウィッグにさまざまな種類があることを踏まえたうえで、いろいろな製品を比較しながら自分に合うものを選びましょう。
正しいお手入れを行ってウィッグを長持ちさせましょう
ウィッグは直射日光と水分に注意し、力をかけすぎないように丁寧に扱いましょう。日干しではなく陰干しをし、カールやボリュームが落ちないように毛先から静かにブラッシングします。
保管する際は専用のウィッグ用スタンドやハンガーを使って、毛が重力にしたがって自然に下に落ちていくように整えましょう。狭い場所に詰め込んだり、無理に折りたたんだりしないようにすると長持ちします。
ウィッグの正しい使い方は、素材の種類、ウィッグのヘアスタイルによっても異なります。わからないことがあれば、購入したお店や美容室などでプロに相談しましょう。
ウィッグを販売している店舗なら、取り扱っている商品について些細な疑問にも答えてくれるはずです。自分に似合うウィッグを探しながら、正しいお手入れ方法を教えてもらいましょう。
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