薄毛治療=男性というイメージが定着していますが、昨今、加齢やストレス、不規則な生活などが原因で、薄毛に悩む女性も増えています。
それに伴い、女性が使える薄毛治療薬も次々に発売されるようになりました。
このページでは、女性でも使用できる薄毛治療薬を内服薬、外服薬に分けてご紹介し、その成分や効果、副作用の有無など詳しく解説いたします。
Contents
女性が使える薄毛治療薬、バントガール内服薬
女性の薄毛治療薬としてはパントガール内服薬が有名です。一般医薬品に分類されるので、医師の診察を受けなくても購入可能。そのため診察ではなく、カウンセリングで対応しているところもあります。
バントガール内服薬は、臨床試験でも有用性を高く評価され、多くのクリニックで勧められています。頭皮の健康維持に貢献し、気になっていた部分が目立ちにくくなるでしょう。1日2~3回。3~6ヶ月程度の服用で、薄毛であったと思えないくらいのボリュームに。男性治療薬のように体毛の成長はありません。
主な成分
- パントテン酸カルシウム(水溶性のビタミン)
- L-シスチン(アミノ酸の1種)
- ビタミンB1(チアミンとも呼ばれる)
- ケラチン(タンパク質の1つ)
- 薬用酵母(ビール酵母を洗浄・乾燥したもの)
- パラアミノ安息香酸(葉酸の前駆体)
パントガールは2種類あり、オーストリア版とインターナショナル版があります。含まれている成分は少しずつ異なり、オーストラリア版にはビタミンB1・ケラチン・薬用酵母・パラアミノ安息香酸が配合されていません。
その代わりL-シスチンは、インターナショナル版よりも10倍多くなっています。通販サイトでの価格は、どちらもあまり変わりはありません。製造元のメルツ社も効果や副作用に差はないと公表していて、販売している市場の違いから種類を分けているようです。
見た目は、インターナショナル版が「緑と白」、オーストリア版が「薄い黄色と白」のカプセルになっています。
クリニックによって取り扱っている種類の違いはありますが、通販サイトや個人輸入の場合はどちらでも購入できます。
副作用で一時的に抜け毛が増える可能性がある
1カプセル=0.5calなので、体重の増加は心配ないでしょう。他の薬と同じように、腹痛や下痢、蕁麻疹や痒み等の症状が現れることがあるかもしれません。
ただ、すべての人に症状が見られるわけではありません。副作用の低いパントガールですが、飲み始めた初期の段階では、一時的に抜け毛が増えたという報告も聞こえています。
これは効果が現れる前に抜けた髪の毛で、深刻な副作用には含まれていません。主に男性用の薄毛治療薬によく使用されているプロペシアとミノキシジルには、初期脱毛の起こりやすい成分も含まれていますが、パントガールには配合されていません。
元々体の中に存在している成分が多く、毛母細胞に刺激を与えて育毛を促進するような作用はないため、初期脱毛は起こらないと言われています。
ですが、妊婦と12歳未満の子供の場合、服用を控えるのが望ましいです。
妊娠後期であれば問題ないと言われていますが、それぞれの症状や体調によっても異なるため、服用の際は医師に相談してください。
1箱10.000〜15,000円ほど
パントガールは保険適用外となり、クリニックで処方してもらう場合は、1箱(90カプセル入り/30日)10,000~15,000円くらいの価格になります。
複数購入することで1箱7,000円になるケースもあるようですが、クリニックによって販売価格も違うので事前に確認してください。別途初診料や再診料、投薬代が発生するところもあります。
クリニックへ行く時間がないという場合は、信頼できる通販サイトでも購入可能です。サイトでは、2~3箱が10,500~14,000円で販売されています。また別途送料が発生することもあります。
診察を待つ必要もありません。ただ、正規代理店であるかどうか自分で確認しなければならず、店頭価格は安くてもリスクはあります。
女性に使えるその他の薄毛治療内服薬
パントガール以外の治療薬としては、HRタブレットやリバースレディが知られています。どちらも独自開発された薬で、HRタブレットは湘南美容外科クリニック、リバースレディは東京ビューティークリニックのオリジナル発毛薬になります。現在のところ、通販サイトでは一般販売されていません。
また、パントガールを主成分とした治療薬、ルクゼバイブを処方しているクリニックもあります。ルクゼバイブは馬プラセンタとコロストラムが配合されている以外、パントガールとほぼ同じです。
馬プラセンタは必須アミノ酸、コロストラムは免疫ミルクで、1箱8,000円から販売されています。
HRタブレット、リバースレディは体毛が濃くなる可能性がある
HRタブレットやリバースレディにはミノキシジルが含まれているため、体毛が濃くなる心配もあります。HRタブレットは12,800円、リバースレディは1ヶ月分14,000~21,000円で購入可能。
ルクゼバイブに大きな副作用はありませんが、馬アレルギーを持っている人は気をつけたほうが良いかもしれません。
女性も使える薄毛治療外用薬
外用薬としては、頭皮に塗って使用する育毛剤があります。クリニックで処方してもらえるため、内服薬と合わせて併用すると良いかもしれません。クリニック以外では、通販サイトもしくは個人輸入となります。
薄毛の進行防止をサポートするパントスチン
パントスチンにはアルファトラジオールという有用成分が含まれていて、脱毛しづらくする働きがあります。抜け毛の要因となっているジヒドロテストステロンから守ってもらえるため、薄毛の進行防止に役立ちます。
使用頻度は1日1~2回。気になる箇所に適量、1ヶ月に1本を目安にしてください。優しく丁寧にマッサージをし、ゆっくり揉み込みましょう。
主な副作用
効果が緩やかに現れる分だけ副作用は少ないですが、頭皮に痒みや炎症が起こる場合もあります。それはパントスチンに含まれているアルコールが原因です。敏感肌の人は注意する必要もありますが、普通肌以上であれば大丈夫でしょう。使っていると脂分が多くなるため、使用する量や回数の調整が求められます。
ミノキシジルが発毛を促すロゲイン
ロゲインにはミノキシジルが配合されています。配合量はローションタイプ、フォームタイプによって異なり、前者は2%、後者であれば5%のミノキシジルを配合。毛乳頭の働きを活性化させ、発毛を助ける作用があります。
使用頻度は1日1~2回。1ヶ月に1本使う目安として、1~4ヶ月程度で効果を感じられるでしょう。
価格は5,400~9,200円/1本。パントスチンと同じように優しく揉み込んでください。2種類あり、クリニックによって選べるところもあります。
主な副作用
ミノキシジルの効果は頭皮のみに作用するため、痒みや炎症などは現れるかもしれませんが、内服薬のように体毛増量の心配はありません。稀にむくみや頭痛、血圧低下や心拍数の増加が起こる人もいるので、いつもと違う症状があれば医師へ相談しましょう。
日本で発売されている唯一の治療薬・リアップリジェンヌ
日本で発売されている唯一の治療薬です。CMなどで名前を聞いたことのある人も多いかもしれませんが、リアップリジェンヌはドラックストアや通販サイトで購入可能です。
ミノキシジル1%配合、保湿作用に働きかけるプロピレングリコールも含まれています。
主な副作用
大きな副作用はありませんが、中には頭痛や発赤、めまいなどの症状が出る人もいるようです。また、生活習慣やヘアケアが原因の薄毛は効果を感じられないかもしれません。
女性に使う薄毛治療薬の注入剤
直接皮下組織へ薬剤を届ける方法として、注入剤を使うクリニックもあります。効果の実感も早いため、薄毛治療薬として取り入れているでしょう。ただ、注入剤による治療は医療機関でしか取り扱われていません。
7種類のペプチドを含んだヘアーフィラー
ヘアーフィラーは7種類のペプチドが含まれた注入剤で、頭皮の血液循環や髪の成長を助けてくれます。1~2cm間隔で必要な場所へ注入、治療期間は2週間に1回の割り合いで、約2ヶ月行われます。太さ0.18mmのゲージを使うため、注入する際の痛みはほとんどありません。
1回注入すれば、効果は15日程度続くと言われています。クリニックによって違いますが、1回48,000~60,000円です。2~3回目で実感する人が多く、発毛した状態を維持してもらえます。
ペプチドはアミノ酸が2つ以上結合した物質で、その中でもデカペプチド25が毛母細胞の増殖をサポートしてくれます。洗髪は4時間後から。
また、パーマやカラーリングは、1週間以上経過しなければ対応してもらえません。麻酔を含めて1時間程度の施術です。ヘアーフィラーにプラスして、漢方が処方されるクリニックもあります。
主な副作用
ヘアーフィラーの重大な副作用は報告されていませんが、稀に痒みや発疹などの症状が現れる人もいます。出血量も多くありません。
キュラセンは血流をスムーズにさせる
キュラセンは超微粒子プラセンタです。シワやたるみへの炭酸メソセラピーとしても知られていますが、薄毛治療にも使われます。
ヘアーフィラーと同じように皮下組織へ直接注入することで、血液が滞りにくくなり栄養分が吸収されやすい状態に変わっていくでしょう。
薄毛治療薬として表示されていないケースもありますが、1アンプル(2ml)4,000~5,000円に設定されているようです。皮下注射として投与しているクリニックもあります。
主な副作用
副作用はほとんどありません。皮下注射として投与した場合は、針を刺した場所に腫れや赤みが現れることもありますが、それは他の予防接種と同じです。1~2日で落ち着くため心配はありません。ただ、アレルギー体質の人は、事前に医師の診察を受けておいたほうが良い場合もあります。
プロペシアとミノキシジルの内服薬は女性の薄毛治療には不向き
一般的によく知られている治療薬としては、プロペシアとミノキシジルの内服薬があります。どちらも米国食品医薬品局から認可を受けたもので、日本皮膚科学会でも有用性が認められています。
ですが、プロペシアは女性へ効果が明確でないばかりか、副作用を引き起こす可能性もあります。
プロペシアはホルモンバランスに影響を及ぼす
プロペシアはホルモンに影響をするため、妊娠する予定のある女性が服用した場合、胎児が男の子であればホルモンバランスに強く作用すると言われています。
例えば子供が成長していく段階のひとつには、生殖器の発達も含まれています。ただ、何事もなく成長する保証はどこにもありません。また、男女の区別がつきにくい生殖器で生まれてくる可能性もあり、リスクの高さが取り沙汰されています。授乳中の女性も禁忌です。
このような副作用が起きるのは、プロペシアの主成分となるフィナステリドに関係していて、皮膚からも体内へ吸収される恐れがあります。
内服薬を服用しなければ良いだけですが、錠剤が割れていたり砕けたりした状態で触るのも厳禁。周囲の男性が服用しているなら、注意してください。
ミノキシジルを処方するクリニックもありますが、こちらも女性にはあまり、おススメできません。なぜならミノキシジルを服用することで育毛は期待されますが、髪以外の体毛も成長するからです。
指やヒジ、ふくらはぎや太ももなど、女性なら脱毛してキレイな肌を保ちたいと願う部位ですが、残念ながら体毛も一緒に成長します。
男性なら関係ありませんが、いくら薄毛の問題が解決しそうな状態でも、ムダ毛が増えてしまう副作用を受け入れる選択は、女性にとって新しい悩みを持たせてしまうことに繋がります。
薄毛治療薬は副作用も理解して使用する
女性向けの薄毛治療薬は数多くあります。それぞれ発毛効果と同様に副作用も異なります。
例えばパントガールであれば、プロペシアとミノキシジルが配合されていることで、一時的に抜け毛が増えることもあります。また、ロゲインを使用した場合、稀に心拍数の上昇や血圧が低下することがあります。
薄毛治療薬はこれらの副作用を理解して使用するようにしましょう。
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