どんなに健康な髪の毛であっても、毛には必ず自然に抜ける時期が訪れます。毎日抜け毛があるのは自然なことなのです。とはいえ、1日で抜ける本数はある程度決まっています。あまりにも抜け毛が多い場合は薄毛が始まっているかもしれません。
自分はまだまだ大丈夫、と思っていても、抜け毛や薄毛は年齢に関係なく起こるので、将来薄毛で悩まないようにしっかり予防をしておきましょう。
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女性の抜け毛の1日平均本数は約100本!
髪の毛には、髪がどんどん伸びる成長期と成長が止まる退行期、毛根が完全に退化する休止期という3つのヘアサイクルがあります。
髪の成長期は4年から6年とされていますが、この成長期が終わるとどんなに健康な髪の毛であっても必ず成長が止まって自然に抜け落ちるのです。
抜けるまでのサイクルは、すべての髪の毛に同じタイミングで起こるわけではありません。成長や抜け毛の時期は1本1本異なるので、毎日髪が抜けるのは当然のことです。
1日に抜ける髪の毛の平均本数は50本から100本といわれています。毎日100本も抜けたらすぐに薄毛になってしまうのでは、と不安になるかもしれませんが、髪の毛の総本数は約10万本ですから、100本抜けたとしてもたった0.1%です。
ヘアサイクルは髪ごとに違うので、抜ける髪があっても成長を続けたり、新しく生えたりする髪もあります。100本抜けてもそれが薄毛に直結することはありません。
時期によっては抜け毛が増えることもある
基本的には、抜け毛の本数は1日100本程度ですが、時期によっても違いはあります。一般的には秋に抜け毛が増えることが多いといわれています。
秋に抜け毛の本数が増える理由としては、
- 夏に頭皮が日焼けのダメージを受けてヘアサイクルが乱れ、通常より退行期が早まる
- 動物と同じで人間の毛髪も冬に向けて生え替わる
といった理由が挙げられます。
秋になると平均本数の2倍ほど抜ける人もいますが、この時期の抜け毛は1ヵ月程度で通常の量に戻るので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
薄毛の始まりを示す4つのサイン
毎日100本抜けるのは普通といっても、明らかに抜け毛が増えていたり、髪のボリュームが減ったりした場合は、薄毛が始まっている可能性があります。
薄毛対策は、遅れれば遅れるほど効果が出にくくなるので、おかしな抜け毛の症状を知っておくのがベストです。
一般的に、髪の毛はシャンプーやドライヤーをしているときに一番抜ける量が多く、後は寝ているときや髪を梳かすときに数本抜ける程度ですが、気をつけたい抜け毛の特徴は以下のとおりです。
- 部屋に落ちている髪が目立つようになった
- ちょっと髪をいじるだけで数本抜ける
- 枕や寝具についている髪の量が目に見えて増えた
- 抜けた毛が細く柔らかい
こういった状態が毎日続く、という場合は薄毛が始まっている可能性が高いと考えてよいでしょう。
女性の抜け毛の4つの原因
男性の薄毛は、その多くが男性ホルモンの変性によって引き起こされるAGAという男性型脱毛症です。原因が特定されていることから治療法も確立されています。
一方、女性の抜け毛というのは原因が特定しづらいのが現状です。以下で考えうる原因を知り、自分に適した予防法をチェックしておきましょう。
ストレスの蓄積から起こる血行不良
子育てのイライラや仕事の疲れ、終わりのない家事など女性は多くのシチュエーションでストレスを感じやすい環境にあります。1つのストレスは小さくても、小さいストレスが蓄積すると、血管の収縮を促す交感神経が活発になります。
血管が収縮すると、血液が流れるリズムが崩れてしまうことで血行不良が引き起こされるのです。髪の毛の成長を維持する毛乳頭は、血液から栄養を受け取ることで正常に機能します。血行不良で栄養が不足すると成長を維持できなくなるので、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えると考えられます。
頭皮の乾燥による皮脂の過剰分泌
頭皮も顔や体の肌と同じ皮膚ですから、皮脂膜や保湿成分のバリア機能によって守られています。しかし、皮脂膜は毎日のシャンプーで取り除かれてしまうので、シャンプーのやり方によってはバリア機能が弱まってしまうのです。
皮脂膜やバリア機能の働きが低下すると、水分を保持する力も低下するため頭皮が乾燥します。これが皮脂の過剰分泌を引き起こしたり、雑菌の繁殖による炎症を起こしたりして、頭皮環境が悪化していきます。
頭皮環境が悪化は血行不良の原因になりますし、健康な髪の毛が成長できなくなるため、結果的に抜け毛を増やしてしまうのです。
ダメージによる頭皮の硬化
頭皮は、紫外線やドライヤーの熱、スタイリング剤やシャンプーなどで毎日ダメージを受けています。また、カラーやパーマをしている場合は、一時的であっても大きなダメージを与えてしまいます。
こういった外部からのダメージは成長ホルモンや栄養素などで修復されますが、生活習慣が不規則だと十分に修復されないのでダメージが蓄積します。ダメージは頭皮を硬くしてしまうので、柔軟性が失われることで血管が収縮されにくくなり血行不良が引き起こされます。
頭皮は髪の毛に覆われていますから、意識してケアをしないとダメージがどんどん蓄積し、頭皮が固くなり血行不良になりやすいといわれています。
女性ホルモンの分泌量の減少
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、肌のうるおいを保持するなど健やかな肌を保つ働きのほかに、髪の成長を維持したり促したりする働きがあります。
つまり、規則正しい生活習慣を送っていてエストロゲンがしっかり分泌されている女性であれば、髪のヘアサイクルが狂うこともないので抜け毛が増えることはありません。
しかし、女性ホルモンは妊娠や出産、更年期、ストレスや疲労などで分泌量のコントロールが狂いやすいため、何らかの要因でエストロゲンの分泌量が減少してしまうことがあるのです。
エストロゲンの分泌量が少ないと、生命維持活動に影響のない髪の毛には働きかけなくなってしまうので、成長が維持できなくなり抜け毛が増えるといわれています。
女性の抜け毛は血行不良解消と生活習慣の改善で予防する!
女性は筋肉量が少なく、もともと血液が流れにくい体質なので、意識的に血行を促進しないと抜け毛が増えてしまいます。血行不良の原因は生活習慣の中にもたくさんあるので、生活習慣を見直すことも抜け毛予防には欠かせません。
以下で血行の促進方法や生活習慣を見直すポイントをご紹介しますので、今日からできることがあれば始めてみてください。
頭皮の血行をよくするには筋膜リリースが効果的
頭皮の血行促進方法といえば頭皮マッサージが有名ですが、すでに血行不良で硬くなっている頭皮を自己流のマッサージで柔らかくするのは難しいです。特に、頭皮を指でつまめないという方は筋肉が癒着している状態になっています。
そんな方は、ぜひ頭皮マッサージ前に頭皮の筋膜リリースを取り入れてみて下さい。手順は以下のとおりです。
- えり足部分に人差し指から小指までの4本の指の腹を当て、皮膚だけを上下左右に動かすイメージでもみほぐします。
- もみほぐしをつづけながら指を頭頂部に動かし、頭頂部に到着したら指の腹で地肌を押します。
- おでこの生え際に10本の指の腹を揃えて置き、指の位置をずらしながら頭皮を頭蓋骨から引き剥がすようにしてえり足までさすります。
- こめかみに10本の指をあてて、頭頂部に向かって斜め上に引き上げます。
- 頭全体を軽くたたいてほぐします。
筋膜リリースをするだけでも血行が改善されますし、顔のリフトアップ効果も期待できるので、ぜひヘアケアの習慣にしてください。
頭皮に優しいシャンプーでダメージを軽減する
頭皮に一番ダメージとなるのは、毎日のシャンプーです。ダメージの度合い自体は軽いのですが、シャンプーは毎日するものなので、小さいダメージが蓄積することで頭皮に負担となってしまうのです。
市販のシャンプーには、皮脂を根こそぎ落としてしまう石油系合成界面活性剤が使われているものが多くあります。繰り返し使っていると、頭皮を守る皮脂膜を形成するための皮脂が無くなってしまいます。そのため、よりダメージを受けやすくなり頭皮環境が悪化するという悪循環になってしまうのです。
頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーは余分な皮脂や汚れだけを落とすので、皮脂膜形成に必要な皮脂を残して洗い上げることが可能です。頭皮の状態によっては、シャンプーを変えるだけで髪が健康になることもあるので、シャンプーを見直すことも抜け毛予防に繋がります。
食事でいろいろな栄養素を摂るように心がける
髪はタンパク質でできており、頭皮の保湿や弾力性を高めるにはコラーゲンが効果的です。髪の成長に効果的な栄養素はいろいろありますが、どれか1つを摂れば抜け毛予防ができるというわけではありません。
栄養素にはそれぞれ働きがあるものの、いろいろな栄養素のサポートによって効果を発揮するので、食事ではいろいろな種類の栄養素を摂るように心がけましょう。
明らかに不足している栄養があればサプリメントで補うという方法もありますが、髪は毎日成長していますから、毎日の食事で得られる栄養のバランスが整っているほうが抜け毛予防に効果的です。
細かく栄養計算をする必要はないので、肉や魚、豆類、野菜、卵などいろいろな食材を食べるようにすれば、栄養バランスも整いやすくなります。
質のよい睡眠で髪の成長を妨げない
睡眠というのは、ただ体を休めるだけではなく、細胞の修復や回復を行うための時間でもあります。
もちろんこれは髪の成長にも当てはまることで、睡眠中に分泌される成長ホルモンは毛乳頭細胞を修復したり再生を促したりしてくれます。睡眠時間が少なかったり、眠りが浅かったりすると十分な修復が行われず、髪の成長を妨げることになります。
眠りは健やかな体や肌、そして髪の毛を作り出すための大事な生活習慣なので、質の高い睡眠を取るようにしましょう。
適度な運動で体を整える
運動と抜け毛は直接的な関係はありませんが、適度な運動は全身の血行を促し、体の調子を整えてくれます。
病気になると、髪がぱさついたり抜けやすくなったりすることから分かるように、体調も髪の成長に関わっているので、適度な運動で健やかな体を維持することも大事な抜け毛予防法です。
抜け毛予防に「早すぎる」はない!今からでも抜け毛対策を
抜け毛は突然始まるものではなく、毎日少しずつ増えていくので、気がついたら薄毛になっていたということも少なくありません。薄毛になってから抜け毛を防ごうとしてもなかなか効果は出ませんし、薄毛を改善するのはとても時間がかかります。
まだまだ抜け毛を気にする年齢じゃないという方も、抜け毛予防は、遅すぎることはあっても早すぎることはありません。早く予防を始めれば、その分薄毛に対する不安もなくなります。
いつまでも若々しく、髪のボリュームを維持していきたいという方は、今から抜け毛予防を始めるのが正解です。
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