女性にとって“髪は命”です。それが加齢とともに薄くなっていくと、相当なショックでしょう。女性の薄毛は遺伝も関係するという話を耳にします。
遺伝なら避けることはできないのか、と思う人もいるでしょう。まずはその真相について探っていきましょう。
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女性の薄毛は遺伝だけでなくさまざまな原因で起こる
男性の薄毛と女性の薄毛はちょっと違います。薄毛の状態も男性の薄毛とは違いがありますが、原因もいろいろです。女性特有の薄毛もあり、遺伝とはほとんど関係のないケースもあります。
すべてが遺伝とは言い切れませんので、まずは自分の薄毛の原因を知ることも大切なことです。
女性の薄毛いろいろ
女性の薄毛は加齢によって引き起こされるものもありますが、それ以外の原因による薄毛もあります。
びまん性脱毛症
主に加齢によって引き起こされる女性の脱毛症です。男性型脱毛症がAGAと呼ぶのに対し、FAGA(女性男性型脱毛症)と言われることもあります。
分娩後脱毛症
赤ちゃんを出産後に発症する脱毛症です。産後2~3ヶ月頃から始まり4~6ヶ月くらいをピークに、たいていの人は1年位で元に戻ります。
ホルモンバランスの乱れによる脱毛
女性は生理や閉経などにより、ホルモンバランスが乱れます。それにより脱毛が増えてしまうこともあります。びまん性脱毛症も閉経による原因もありますし、分娩後脱毛症もエストロゲンの増加・減少も一因です。
牽引性脱毛症
髪を結んだり、アップにしたりすることで起こる脱毛症です。男女関係なく発症しますが、女性のほうがそういったヘアスタイルにする方が多いです。
過度のダイエットによる薄毛
女性はダイエットをする方が多いです。極端に食事制限をしたり、偏った食事の摂取により、十分に毛母細胞に栄養が行き届かないことで発症します。
外部からの刺激による薄毛
女性はおしゃれのためにパーマやカラーリングをする方が多いです。薄毛が気になりだしたら、パーマをかけてボリュームを出す方もいるでしょう。また紫外線によるダメージも頭皮に良くありません。そういった外部からの刺激も薄毛の原因です。
頭皮ケア不足による薄毛
女性は毎日シャンプーをしているかと思いますが、髪が長い方は頭皮まできれいに洗えていないケースもあります。またシャンプー剤やトリートメントがしっかり洗い流されずに頭皮に残っていると、それも薄毛の原因になります。
女性の薄毛と遺伝の関係性
母親が薄毛だという女性は、「もしかしたら将来的に自分も薄毛になるのでは」と不安に思っている方も少なくないようです。実際に男性は遺伝の要素も大きいと言われているので気になるところでしょう。
先述の『女性の薄毛の原因』には“遺伝”は記載していませんが、実際は遺伝も原因の一つになっています。
男性に比べれば遺伝のリスクは低い
男性の薄毛は遺伝の要素が強いと言われます。実際に父親が薄毛だと、本人も薄毛になってしまうケースが多いように見受けられます。
女性の薄毛も遺伝も一つの原因と言われますが、そのリスクは男性よりもかなり低い傾向にあります。あるデータによると、男性は遺伝の確率は71~75%と言われているのに対し、女性の遺伝の確率は25~29%だそうです。つまり4人に1人は遺伝の影響を受けてしまうことになります。
先天的要因よりも後天的要因の影響が大きい
4人に1人が遺伝の影響を受けるとはいっても、実際はもっと遺伝の影響を受けているのでは、と思う女性もいるのではないでしょうか。
それは先天的な要因ではなく、後天的要因を受けている可能性があります。遺伝は遺伝でも、薄毛が遺伝することよりも、薄毛になりやすい食生活や性格、嗜好などが遺伝すると言えます。
薄毛になりやすい食生活
肥満と薄毛も関連性がありますが、それには食生活も大きく関わっています。脂っこい食事、カロリーの高い食事、偏った食生活などを続けていれば肥満になりやすく、それが薄毛を招いてしまいます。
例えば両親がそのような食事を好む場合、一緒に生活していれば、ひとり暮らしを始めたり、結婚でもしない限り同じ食生活になります。
その結果、薄毛になりやすい食生活を続けることになり、親と同じように薄毛になってしまうかもしれません。また、その食生活になれていれば、家が変わっても同じ食生活を続けることになるでしょう。
頭皮に悪影響を与える生活習慣
食生活同様、普段の生活も薄毛に関係します。夜遅くまで起きている、運動もほとんどしない、休みは一日中テレビやパソコン、スマホを見ている状態では薄毛になる要素が満載です。生活習慣は親の真似をするところも多いので、結局薄毛になっている親と同じ生活習慣を送ることになってしまいます。
薄毛になりやすい性格
性格も遺伝による要素が大きいです。また長い間一緒に生活していれば、性格も似てくるものです。薄毛になりやすい性格も遺伝すると言えます。性格と薄毛は関係ないと思うかもしれませんが、そうではありません。例えば薄毛の原因はストレスや肥満、頭皮ケア不足などがあります。
ちょっとしたことでストレスを抱え込みやすい性格は遺伝しますし、ぐうたらな性格も遺伝するでしょう。また薄毛になっても気にしない性格、頭皮ケアをじっくりするのが面倒という性格も遺伝と関係します。
薄毛になりやすい嗜好
これは食生活や生活習慣にも通じることではありますが、趣味・嗜好も薄毛には関係あります。そしてそれも遺伝もしくは同じ生活を送ることで関係があります。例えば、脂っこい食事、カロリーの高い食べ物が好き、タバコを吸う、お酒が大好き、というのも薄毛に関係するものです。
親がタバコを吸っていれば、成人になってから自分も抵抗なく吸うでしょうし、お酒も体質的に強い人もいます。これらの嗜好も薄毛に関係します。
遺伝による薄毛を回避する方法
『薄毛は遺伝だから諦めるしかない』と思う女性もいるのではないでしょうか。ですが女性の薄毛は男性よりも遺伝による影響は大きくありません。100%とは言いませんが、遺伝的要因がある方でも薄毛を回避することは可能です。
逆に言えば、薄毛になりにくい人だとしても、生活習慣や頭皮ケア不足など薄毛になる原因があれば薄毛になってしまいます。
正しい洗髪やヘッドスパなど日頃の頭皮ケアが大切!
薄毛になる原因は頭皮環境が悪化していることも関係しています。逆に頭皮を常に綺麗に保って、十分な栄養を与えてあげれば薄毛になりにくくなります。頭皮ケアの方法はいくつかポイントがあります。
- 女性用育毛シャンプー・育毛剤を使用
- 髪だけでなく頭皮を綺麗に洗う
- シャンプー剤やトリートメントはしっかり流す
- シャンプー時、育毛剤塗布時は頭皮マッサージも
- パーマやカラーリングをするなら刺激の弱いものを
- 定期的に美容室や育毛サロンに行ってヘッドスパしてもらう
栄養バランスの良い食生活を心がける
脂っこい食事が好き、味が濃いものやカロリーが高い食事が好き、という方は食生活の改善も重要です。野菜類を積極的に摂取する、肉類ではなく青魚や大豆製品でたんぱく質を摂るなど心がけましょう。
特に大豆には女性ホルモンのエストロゲンに似た働きのある大豆イソフラボンが含まれているのでおすすめです。もしインスタント食品やレトルト食品をよく食べるという方は、できるだけ回数を減らすようにしましょう。
適度な運動で肥満解消&血行を良くする
年齢を重ねるとなかなか運動する機会が減っていきます。運動不足は肥満の原因になりますし、血行も悪くなり毛母細胞に十分に栄養が行き届かなくなります。それを解消するのが運動です。
ここで大切なのは無理せず毎日少しでも運動することです。ウォーキングのような有酸素運動がおすすめで、肥満解消にも繋がりますしストレス発散にもなります。また女性はダイエットをする方も多いですが、急激な食事制限をするのではなく、運動で肥満解消するようにしましょう。
質の良い睡眠をとる
髪を元気に育てるには質の良い睡眠が大切です。もし、夜更かしをすることが多い方はそれを改善することが重要になります。ですが、『ただ寝ればいい』というわけではなく、質の良い睡眠が必要です。薄毛解消に良い睡眠をとるポイントを紹介しましょう。
1日の睡眠時間は7~8時間
1日に必要な睡眠時間は7~8時間と言われています。ただこれは合計で7~8時間ということではありません。例えば昼寝を3時間しているから、夜は4時間でもOKということではないのです。あくまで昼寝は含めず、夜の睡眠時間と認識しましょう。
ゴールデンタイムはしっかり眠る
女性はおそらく“肌のゴールデンタイム”について知っていることと思います。頭皮も肌ですから同じゴールデンタイムがあります。その時間は午後10:00~午前2:00までの4時間です。この時間は一番細胞分裂が積極的に行われるため発毛に良いのです。ゴールデンタイムを意識してこの時間をしっかり眠るようにしましょう。
カフェイン摂取は午前中まで
カフェインが睡眠の妨げになることは周知の通りです。早く眠ろうと思ってもカフェインが体内に残っていると、なかなか眠れなくなります。そのため、質の良い睡眠を取るにはカフェインは午前中まで、せめて午後2時くらいまでにしましょう。
昼寝は30分程度に
昼寝は悪いわけではありませんが、長時間の昼寝は仕事や私生活にも悪影響を及ぼしますし、夜眠れなくなります。ですので、昼寝は30分程度にしましょう。
目覚ましをかけるのも良いですが、自然に気持ちよく目覚めるにはカフェインを利用するのも一つの方法です。カフェインは摂取してから30分くらいで効果が現れますので、寝る直前にコーヒー等を飲むと気持ちよく目覚められます。
気分転換をしてストレス発散
ストレスは薄毛にも悪影響を及ぼします。それこそ「薄毛になるかもしれない」と思うこと自体がストレスになってしまうこともあるでしょう。
誰でも少なからずストレスはあるでしょうが、あまり溜め込まずに排除できるストレスは排除し、排除できないなら別のことで発散しましょう。
例えば、趣味に没頭するのもいいですし、旅行やショッピングも嫌なことを一時的にでも忘れられます。美容室に行ってヘアカットする、ヘッドスパをするのも気分が高まりますし、頭皮にとっても良いでしょう。
女性の薄毛対策は早いうちから始めたほうが吉!
一般的に、遺伝の影響がある女性の薄毛はびまん性脱毛症です。主に加齢が原因で引き起こされるもので、閉経により女性ホルモンの減少も関係があります。そのため女性ホルモンが減少する40代あたりから薄毛の兆候が表れてくることが多いです。
ではその頃から薄毛対策を始めればいいのか、というとそうではありません。薄毛は加齢の他にも生活習慣やストレスも関係しています。そして閉経の時期も少なからずそれらの影響も受けると言われています。
薄毛対策は特別なことをするわけではなく、生活習慣を正し頭皮ケアをしっかりすることです。ですので、何歳と言わずに今からでも始めるのが望ましいでしょう。
遺伝的要素があっても対策次第では薄毛を回避できる場合も
親が薄毛になっていると、自分も将来的に薄毛になるのでは、と不安になることでしょう。女性は何歳になっても美しくいたい、若く見られたいものです。薄毛はそれの妨げになってしまいます。
女性の薄毛は遺伝も少なからず関係しています。ただ遺伝だから必ずしも自分も薄毛になるというわけでもありません。むしろ女性の薄毛は後天的要因の影響が大きいと言われていますので、対策次第では薄毛にならずに済むでしょう。
女性の薄毛と遺伝は関係あると言われると、薄毛になりやすい女性はショックかもしれません。ですが、これも考え方次第です。薄毛になりやすい遺伝子が自分にある、と思っていれば積極的に薄毛対策をするのではないでしょうか。逆にその要素がないと自分は薄毛にならない、と高をくくってしまいがちです。
まずは遺伝云々で悩むのではなく、気になる人は正しい薄毛対策を今すぐにでも始めていきましょう。
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