頭頂部から進んでくる薄毛を「つむじハゲ」と言います。
AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)の初期症状として知られていますが、「つむじハゲが気になる」という女性も少なくはありません。
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髪の分け目の薄毛が目立つ女性のつむじハゲ!診断の4つのポイント
いわゆる女性の「つむじハゲ」は髪の分け目の薄毛が目立っている状態なんだ。
とは言え、もともとつむじは髪の毛が傾斜して生えているので地肌が見えやすく、誰でも毛髪量が少なく見える部分です。
鏡ではチェックしずらい点もありますので、スマホなどで頭頂部の写真を撮り、画像を見ながら以下のポイントを観察しましょう。
1.分け目周辺の髪の毛が立ち上がっているか
分け目を中心に髪のコシが無く、ボリュームが少なくなっている状態になってはいませんか?女性の場合、脱毛が進むというよりも毛質が変わってくることから薄毛が始まります。
以前より髪の毛の太さが細くなり、コシやボリュームがなくなってきていたら要注意です。
2.分け目の地肌が赤っぽくないか
健康な頭皮は青白いもの。分け目から見える頭皮の色が赤っぽくなっている場合は日焼けや皮膚炎など地肌の状態が良くない証拠です。しかも、それが鏡や写真ではっきりわかるほどなら、薄毛が進行している可能性があります。
3.毛髪がまばらに見えないか
分け目が広がった感じで毛髪がまばらに見えていたら、薄毛が進行している状態です。いわゆる、女性の「つむじハゲ」の可能性が大!すぐにケアを始めましょう。
4.分け目に関係なく脱毛している箇所がないか
この場合は円形脱毛症や、皮膚炎による脱毛かもしれません。皮膚科の受診をおすすめします。円形脱毛症は精神的なストレスが原因ですから、心療内科の受診も検討したほうが良いかもしれません。
女性が「つむじハゲ」になる5つの原因と対策
以下でその原因と対策を解説します。
原因1.女性ホルモンのバランスの崩れ
一般的に女性が薄毛になるタイミングとしては、更年期やピルの服用をやめた時、出産後など女性ホルモンが大きく変動する時期が知られています。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、このうちエストロゲンには、コラーゲンの生成に関わる働きがあります。コラーゲンは髪の毛を作る毛包細胞に働きかけて育毛を促進する作用があるのです。
更年期以降薄毛に悩まされる女性が増えますが、それはエストロゲンの分泌量が激減するからではないかと考えられています。
対策のポイントは日常生活の見直し
例えば、過度のダイエットなど食生活の乱れ、睡眠不足、運動不足、ストレスなどで女性ホルモンのバランスは簡単に崩れてしまいます。女性ホルモンの乱れが薄毛の原因と考えられる場合は日常生活を見直すことが大切です。
- 栄養バランスのとれた食生活を心がける
過度なカロリー制限や偏った食品だけを摂るようなダイエットは避けましょう。特に、普段から生理不順だったり更年期にさしかかっている人は食事の内容を根本的に見直しましょう。
3食きちんと食べることはもちろんですが、特に意識して摂取したいのは大豆食品です。主に大豆胚芽に含まれる大豆イソフラボンという化学物質は女性ホルモンに類似した化学構造を持ち、「植物性エストロゲン」と呼ばれているほどです。豆腐、納豆、味噌汁など、和食中心のメニューで摂取できますね。
髪の元になるコラーゲンの補給は食事からはなかなか難しいのですが、タンパク質と一緒にビタミンを摂ることで吸収が高まります。忙しい方はサプリメントなどで必要な栄養素を補うことも効果的です。
- 睡眠をしっかりと取り適度な運動を行う
人間は睡眠中には成長ホルモンが分泌され、昼間に受けた身体的なダメージを細胞レベルで回復すると言われています。皮膚の再生、もちろん頭皮の細胞の再生にも影響があるため、睡眠はしっかりと取りましょう。
また、薄毛の直接的な原因の一つは頭皮の血行不良ですが、適度な運動は全身の血行を良くして細胞を活性化します。健康に良いことはもちろん、薄毛対策としても効果があります。
- ストレスを減らす
ストレスを受けると血液中にストレスホルモンと言われるコルチゾールが増えます。このホルモンはストレスに対抗するために身体を緊張させ、臨戦態勢にするホルモンです。
短期的には有効な緊張状態も、長く続くと身体を疲弊させ血液の流れを悪くし、身体に有害な活性酸素を増加させます。頭皮も血行が悪くなり、脱毛が進みます。髪の健康のためにはストレスを減らす工夫が必要です。
- 漢方薬で体の調子を整える
漢方では「髪は腎の華」と言われます。腎は内臓の腎臓そのものだけではなく、生殖器やホルモンの分泌、中枢神経、免疫、造血機能などもあわせた、生命力の源。
腎が髪の状態を司り、腎が弱っていると薄毛や白髪など、髪に問題が出てくる、というのが漢方の考え方です。
薄毛の他に、元気が出ない、体力が落ちているという自覚がある人は漢方を試してみるのも一つの方法です。漢方薬は自己判断で利用せず、漢方医や薬剤師に相談してみましょう。
原因2.カラーリングやパーマ、紫外線などによる髪へのダメージ
自分の髪色よりも明るい色に染めたい場合、一度自髪の色素を脱色して内部から染めるケースが多いものです。
この方法では、ジアミンなどのアルカリ性の化学物質で髪のキューティクルを開き、髪内部の自前の色素を脱色したうえで髪の内部から色を入れていきます。そのため、溶剤による頭皮へのダメージが強くなってしまいます。
また、パーマは髪に薬剤と熱を加えることで髪にウェーブを定着させる施術ですが、こちらも基本的には髪や地肌に良いものではありません。パーマやカラーリングを繰り返して使うことで、皮膚炎を起こしてしまうリスクもあります。
どうしてもカラーやパーマをしたいなら薬剤にこだわる
どうしてもカラーリングやパーマをしたいのであれば、できるだけアルカリ度の低い薬剤にこだわるといいでしょう。
カラーリングでも、髪の毛の上からコーティングするヘアマニュキュアのようなタイプなら比較的ダメージが少なくすみます。
また、インドの女性が日常的に洗髪や白髪染に使っているヘナは繰り返し髪に塗布することで、髪質が太くコシが出てくることが分かっています。試してみる価値はありますね。
原因3.紫外線による地肌や毛髪へのダメージ
近年はオゾン層の破壊によって紫外線が増加しています。
日焼けはやけどと同じです。紫外線量が増えると、毛包細胞を破壊し、毛髪にダメージを与えてしまいます。
対策のポイントは帽子や日傘の使用
顔や身体には日焼け止めを塗る人は多いと思いますが、髪や地肌へのケアは忘れてしまいがちです。
髪への日焼け止めスプレーは市販されていますが、夏の日差しの強い時間帯では、地肌へのダメージは避けられません。髪への日焼け止めスプレーのほか、帽子や日傘でしっかり日焼け防止の対策をしましょう。
原因4.間違ったヘアケアによる地肌の乾燥
適していないシャンプーの使用や不十分なすすぎなど、誤ったヘアケアではかえって毛髪や地肌を傷めてしまいます。
清潔好きの日本人ですが、毎日シャンプーをする習慣はここ20?30年に始まったもので、昔の人は毎日洗髪をしていませんでした。近年では洗浄力の強いシャンプー剤で毎日洗髪を繰り返すことで、頭皮や毛髪が乾燥しすぎていると言う説があります。
正しいスカルプケアを取り入れて地肌を健やかに保つ
ヘアケアとは毛髪の傷みを予防・補修することですが、つむじハゲの対策としては地肌を健やかに保ち良い髪を育てるスカルプケアが大切です。
- 弱酸性のシャンプーやお湯洗いで優しく地肌を洗う
市販のシャンプーは洗浄力の強いものが多く、地肌を保護している皮脂を取りすぎてしまう傾向にあります。皮脂バランスが崩れると常在菌が繁殖して皮膚炎を起こす場合もあります。洗髪しているのに頭がかゆいと感じたら、洗いすぎで地肌が乾燥してしまい、皮膚炎になりかけているのかもしれません。
頭皮の皮脂を取りすぎないためには、弱酸性のシャンプーや、SNSで話題になっている「お湯洗い」などがおすすめです。シャンプーをやめてお湯だけで洗うようにしてから頭皮湿疹が治ったという声もあります。また、シャンプーを薄めて使うのも良い方法です。
まず、地肌の状態を健やかに整えることが薄毛対策の基本です。
- ブラッシングや頭皮マッサージで地肌に刺激を与える
美容のために顔のマッサージは欠かせませんが、頭皮も同じようにマッサージをして血行を良くしましょう。洗髪の時にマッサージができるブラシも市販されていますし、一日に一回は念入りにブラッシングをすることで地肌にも刺激を与えましょう。
手指でマッサージを行う場合は爪を立てずに指の腹を使って行います。指を動かすのではなく両手で頭を軽く抱えるかんじで、頭皮を動かすようなつもりでゆっくり行うのがコツです。
頭皮マッサージはリフトアップや目の疲れなどにも有効ですから、ぜひ毎日の習慣にしたいですね。時には専門のサロンで頭皮マッサージやヘッドスパの施術を受けてみるのも良いかもしれません。
原因5. けん引性脱毛症
いつも同じ髪型でバレッタやヘアゴムで結んでいると、毛根が常に同じ方向に物理的な刺激を受けて抜けやすくなってしまいます。これをけん引性脱毛症といいます。
女性の場合男性よりも毛量が多く長いので、髪の重さだけでも頭皮にかなりの負担がかかり、抜け毛の原因となる恐れがあります。
結ぶ必要があるならできるだけ髪を短くカットする
人によっては髪の生え方に癖があって、どうしても同じ場所に分け目がついてしまったり、職業によってはお団子ヘアなどの決まったヘアスタイルをしなければならない場合もありますね。
そんな場合もなるべく頭皮に負担をかけない工夫をしたいものです。
髪は案外重みのあるもの。髪をカットするだけでも頭皮にかかる負担はかなり減ります。
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