頭皮は毛髪に覆われているので皮脂汚れを拭き取りにくい場所です。ケアが面倒でつい放置してしまうこともあるでしょう。しかし皮脂汚れを放っておくと毛髪の成長を阻害し、皮膚トラブルが起こりやすくなってしまいます。これが薄毛の原因になってしまうことも。
そこで今回は、女性の頭皮のベタつきにつながる8つの原因とその対策法方法について紹介します。
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頭皮がベタつく8つの原因と対策法
頭皮にはたくさんの皮脂腺が存在しており、こめかみから鼻先にかけてのTゾーンの3倍も皮脂が分泌されています。
シャンプー前には湿ったようにベタついているのは自然なことですが、ねっとりするような皮脂が出る場合は、皮脂の過剰分泌を起こしている可能性があります。ここではその原因を1つずつ確認しながら、予防法についても紹介します。
ブラッシング不足で皮脂や汚れが頭皮に溜まる
頭皮は、毛穴から分泌される皮脂が毛髪や地肌を覆うことで温度や湿度を維持し、毛髪の成長に適した環境をつくっています。
適度な皮脂が地肌に広がっていると、細かくパサパサとしたフケも出にくくなります。しかし皮脂は自動的に頭皮をケアしてくれるわけではありません。髪の毛の先まで皮脂を行き渡らせるためにはブラッシングが必要になります。
ブラッシングが面倒だからといってそのままにしていると、過剰に分泌した皮脂が行き場を失って毛穴付近にとどまり、そこから毛穴詰まりを起こします。そのまま吹き出物やニキビの原因になる場合もあるので、面倒でも毎日こまめにブラッシングを行うことをおすすめします。
頻度としては、朝起きてから1回(就寝中に出た皮脂を頭皮全体にならす)、お昼または夕方に1回(日中に出た皮脂をならす)そして夜、帰宅してからシャンプーの前に1回行います。
特にシャンプー前のブラッシングでは、髪についた汚れをまんべんなく落としてくれるので、シャンプーによる汚れ落ち効果がアップし時短にも有効です。外でついた髪の汚れは、ほとんどブラッシングで落とせます。
ブラッシングには、毛穴付近に溜まった皮脂を分散する効果のほか、皮脂を髪へと行き渡らせてツヤ髪にする効果もあります。
皮脂は地肌や毛髪にとっては潤滑油やコーティング剤のようなもの。髪の1本1本に行き渡らないとパサつきが目立ち、さらにちょっとした刺激で傷みやすい状態に。
髪をとかすという行為には頭皮へのマッサージ効果もあります。こちらは毛細血管の活動をうながし、健康的な髪を育てるのに重要ですから、薄毛に悩んでいる方は目の粗いブラシでやさしく頭皮を撫でるようにしてブラッシングするとよいでしょう。
頭皮に直接リンスやトリートメントを付けてすすぎ残しが出ている
シャンプーをした後は、育毛と薄毛予防のためにリンスやトリートメントを使うという方も多いのではないでしょうか。実は、リンスやトリートメントなどの髪をコーティングしてくれるアイテムは、地肌に直接付けるとかえって逆効果になってしまいます。
地肌からは頭皮全体を守るために皮脂が出ています。その上にリンスやトリートメントで覆いをかけると、お湯ですすいだときに「すすぎ残し」が出てしまい、すすぎ残しが乾燥して固まると毛穴詰まりを起こしてしまうのです。
コーティング剤は髪の傷みがもっとも激しい場所、たとえば毛先やパーマをかけた部分を中心に使い、髪表面だけに薄く伸ばすようにして使います。シャンプーのように何回も手のひらにプッシュして取る必要はなく、薄く伸ばす程度で十分。
髪に伸ばした後はたっぷりの流水(お湯かぬるま湯)でしっかりと流し、すすぎ残しが出ないようにしましょう。
野菜やタンパク質などの髪への栄養が不足している
髪の毛は、体の中に取り込んだ栄養素からできています。外側から栄養素を直接補うよりも、食事を見直したほうが髪にとっては健康的です。油ものを摂ると皮脂がベタつきやすくなるため、揚げ物や油を使った料理は控えめに。
好きなものばかりを食べるよりも、野菜やタンパク質を継続的に摂る習慣をつけたほうが、髪にとっては嬉しい結果になります。体に不足する栄養素が補給されると、後から紹介するホルモンバランスにもよい影響を与え、皮脂量も落ちついていきます。
しかし、外側からまったく栄養を補えないというわけではありません。乾燥肌や髪がパサつく方、パーマなどでダメージが蓄積している場合には、栄養成分を豊富に含むトリートメントによるケアも大切です。
シャンプー後にドライヤーを使わず自然乾燥にしている
頭皮は外気に常に触れており、外からの刺激を受けやすい場所のため水分量には敏感です。乾燥のしすぎはよくありませんが、余分な水分が残ったままの状態もNG。
シャンプーの後はドライヤーを使い、髪などに残った水分はきれいに乾かしましょう。自然乾燥にすると頭皮に水分が残り続け、そこから雑菌が繁殖しやすくなります。
もともと人間の頭皮には「常在菌」がすみついていますが、シャンプー後に水分が残っていると体温と毛髪による適度な温かさによって、菌が繁殖しやすい環境ができあがります。増えた菌たちが頭皮にある皮脂をたくさん食べて分解するため、ベタつきが発生しやすくなるのです。
過剰なシャンプーやブラッシングで頭皮が乾燥している
頭皮は常に皮脂を分泌しながら、完全に乾燥しないように保っています。シャンプーやブラッシングで皮脂が奪われると、頭皮が潤い不足を認識し、さらに皮脂を出そうとします。
皮脂汚れを気にしてシャンプーやブラッシングが過剰になると、逆に皮脂分泌を過剰にすることにもつながります。1日に1回であれば問題ありませんが、2回以上頭を洗うのはNG。夜に洗って次の日の朝にまた洗うといった、時間をおかない状態でのシャンプーも避けましょう。
どうしても皮脂が気になる場合は軽く頭をすすぐ程度にとどめ、きれいに洗い落としてしまわないようにしましょう。また、夜に洗ったら次の日の夜に洗うというように、時間をおいてのシャンプーも意識してみてください。
生活習慣が乱れてホルモンバランスも乱れている
頭皮のベタつきは皮脂の過剰分泌が原因ですが、女性ホルモンの乱れが皮脂をたくさん分泌させてしまう場合もあります。
女性ホルモンは体のさまざまな機能に関わっており、体温調節や循環など、細かく変動する部分を中心にコントロールしています。ホルモンの乱れから皮脂量が調節しにくくなると、頭皮のコンディションに影響することも。
女性ホルモンを乱さないためには、正しい食生活と適度な運動習慣が必須です。
「乾燥肌なのに頭皮だけベタつく」「頭皮にダメージを与えることは一切していないのにベタベタする」といった場合は、一日の生活を見直してみてください。
女性の場合、ホルモンバランスが乱れているかどうかはPMSの程度や生理の周期からも判断できます。いつもよりもPMSが強く出ていたり、生理周期が乱れていたりするようであれば、ホルモンバランスの乱れが発生しており、皮脂の分泌量にも影響が出てくると考えられます。
また、睡眠や運動などふだんの生活でできる健康的な習慣を取り入れることも大切です。極端な睡眠不足や運動不足は、体の機能に悪影響を与えてしまいます。最低限6〜7時間の睡眠と、20〜30分程度の運動を行って、血流を改善し循環機能を上げましょう。
地肌や毛穴に汚れや詰まりが残っている
シャンプーの仕方が間違っており、スタイリング剤やシャンプーなどが残ったままでいると、毛穴が詰まって毛穴の奥深くから皮脂が分泌されるようになります。そうして出てきた皮脂は、汗よりも粘性が高いのが特徴です。せっかく入浴しても、軽くすすぐ程度ではなかなか落ちません。
過剰な皮脂は地肌の汚れと混ざり合って雑菌の繁殖を招き、ニキビや吹き出物などのトラブルにつながることも。
シャンプーを毎日しているのに皮脂でベタつくという方は、熱すぎないお湯で髪の毛全体をかけ流し、地肌の汚れを浮かして落としてみましょう。次に指の腹でマッサージするように頭皮を揉み込みながら、いつもよりも少し時間をかけて洗ってみてください。
マッサージの要領で頭皮を揉み込んだ後は、十分すぎるほどしっかりとすすぎを行いましょう。シャンプーにおいて一番大切なのは、汚れを残さないことです。
皮脂を落としすぎると過剰分泌を招くおそれがありますが、汚れはお湯だけでも落ちるので、シャンプーの前後にしっかりとかけ流し・すすぎを行ってください。
汗をかいたまま放置して汚れや皮脂が固まってしまう
一日の仕事や作業を終えて、あるいはレジャーやお出かけを楽しんで帰宅し、疲れてそのまま就寝…という生活は、頭皮にはもっとも負担をかける行為です。
Tゾーンよりも皮脂量の多い頭皮は、顔よりも多くの皮脂を分泌します。一日分の汚れが翌朝まで放置されると、残された汚れが固まって毛穴まわりに付着し、さらにそこへ新しい皮脂が分泌されて、次第に毛穴詰まりを起こします。
ヘアワックスやヘアスプレーで髪をセットしていると、汚れの上に整髪料が重なって、皮膚が二重に負担を抱えた状態になります。眠ったまま長時間放置するとそれらはすべて固まってしまい、翌日のシャンプーで落としきれず毛穴に残ったままになる可能性も。
たっぷりと皮脂の詰まった毛穴は、軽めの洗髪ではきれいになりませんから、その日の汚れはその日のうちに落としきるようにしたいですね。普段使っているスプレーやワックスなども、地肌には極力塗り広げないように注意したいところです。
頭皮のベタつき・毛穴の詰まりを放置すると薄毛になりやすい
頭皮のベタつきや毛穴の詰まりは、頭皮環境の悪化につながるだけではありません。対策をせずに放置していると、薄毛そのものの引き金になる場合も。皮脂汚れを洗い落とすことは、臭いやフケの予防だけではなく育毛そのものにも深く関わっているのです。
頭皮環境が悪化すると、本来気にならない程度の皮脂がベタつき、粘性が高くなります。地肌にこびりつくようなベタつきが出ると、今度はかゆみをともなって掻きこするようになり、そこから抜け毛が発生します。
髪の生えぎわや分け目部分の抜け毛が増えると、見た目にも薄毛が進んでしまいますし、それがストレスになるとホルモンバランスにも影響を与えて悪循環に。
皮脂が詰まるほど毛穴には汚れが溜まっていくので、頭皮のベタつきや毛穴の詰まりが気になってきたら、できる限り早めにケアするのがポイントです。
意識的なケアとプロからのアドバイスで徹底ケア
頭皮のベタつきは自分で意識しにくい場合があり、頭皮にニキビなどのトラブルが出て初めて気づくこともあります。
どの程度の皮脂量が適切なのかは自分ではなかなか把握しにくいため、気になる場合はプロからのアドバイスが受けられるヘアサロンや美容室を利用するか、スカルプケアを実施している皮膚科や医療機関を受診してみてください。
ヘアサロンでは頭皮へのマッサージやブラッシングを行ってからシャンプーを行い、髪と地肌をケアしていきます。薄毛の原因や対策方法についても一人ひとりにあったアドバイスがもらえますし、自宅でのケアについても正しい方法を教えてもらえます。
毛穴詰まりや過剰な皮脂による悩み、薄毛や育毛に関する悩みは、ぜひプロに相談することをおすすめします。
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