薄毛のケアには生活習慣の改善やヘアケアのほかに、ツボ押しも一つのケア方法として考えられています。
ツボ押しはどこにいても簡単にできるケア方法なので、育毛剤を塗った後にツボ押しをすることもできます。ツボは頭や顔、首などさまざまな場所にあるので、バランス良く刺激して血流改善を目指しましょう。
Contents
コツを押さえて行うツボ押しは薄毛にも効果がある
マッサージすることで毛乳頭細胞が1.3倍活性化する
マッサージが毛乳頭細胞に与える効果を確認する実験では、人間の毛乳頭細胞に超音波で振動を与えたところ、平常時に比べて1.3倍ほど毛乳頭細胞が活性化。マッサージによる血行促進・育毛効果が実証されました。
この実験では、血行促進というよりも単に刺激を与えることが発毛に良いということが分かりました。もちろん血行が促進されても育毛効果は期待できるので、振動による刺激と血行促進のダブルでアプローチを行うことが発毛に良い影響を与える可能性があります。
さらに行われた実験では、振動と育毛剤で同時にケアしたところ、平常時の1.5倍に効果がアップすることが判明。まだ本格的な治療には用いられていませんが、マウスでの実験は進んでおり1ヶ月後に発毛が確認できたという結果も出ています。
刺激を受けやすいツボ押しでマッサージ効果をより実感
育毛マッサージは頭皮全体に行うのも効果的ですが、刺激を感知しやすい「ツボ」を押すとさらに効果が期待できると考えられています。たとえば頭頂部の中心にある「百会(ひゃくえ)」を押すと、頭部全体に刺激が行き渡り効率的にマッサージ効果が得られます。
薄毛予防に効果的なツボ8選
人間の身体全身には約670のツボがあるとされています。そのなかでも薄毛対策として効果的なツボは、
- 百会
- 天柱
- 風池
- 上星
- 完骨
- 通天
- 合谷
- 角孫
の8つが挙げられます。
1. リラックス効果もある万能のツボ「百会」
百会(ひゃくえ)は、両耳の上端からまっすぐ頭頂に延ばした線と鼻(眉間の中央)から頭頂に延ばした線が交わる部分、すなわち頭頂部の中心にあるツボです。頭部全体、体全体の経路が集中する場所とされており、ここを刺激するだけでも高いリラックス効果が得られます。
別名「万能のツボ」とも呼ばれ、全身の代謝を促進します。自律神経も整えてくれるので、体調がすぐれない時や血行不良に悩んでいる時のツボとしても使えます。
薄毛の原因の一つが冷え性や代謝不良と言われているので、調子が悪い日は百会を刺激して上手に体調を整えていきましょう。
ストレスを軽減する効果もあるので、仕事などでストレスフルになっている時、抜け毛を防止するためのツボとしても知っておくと良いかもしれません。
2. 毛の痩せ細りにも対応する「天柱」
天柱(てんちゅう)は首筋の外側、うなじの窪みからさらに指1本分内側に入ったところのやや下に位置するツボです。頭部の血行を改善して、毛細血管の血行促進をうながします。
血流低下による抜け毛や、毛の痩せ細りにも対応できるツボですね。
3. 円形脱毛症にも効果的な「風池」
風池(ふうち)は天柱から1cmほど上にずらし、指1本分外側に置いたところにあるツボです。髪の生え際を目安にすると良いでしょう。
主に首のコリや目の疲れに効果が期待できるツボですが、首から顔全体にかけての血流改善や、後頭部の抜け毛・円形脱毛症にも良いとされています。
4. 抜け毛だけでなく眼精疲労にもいい「上星」
上星(じょうせい)は顔の中心線と、おでこの生え際が交わる部分からさらに2cm上に上がったところにあるツボです。押すと目元を中心に疲れが取れるような感じがして心地良く、眼精疲労に効果があります。
その他、抜け毛予防や鼻づまりにも良いポイントなので、疲れているときに押すツボとしても覚えておきたいところです。
5. セロトニンの分泌を整える「完骨」
完骨(かんこつ)は耳たぶの後ろ側、出っ張った骨の下にあるくぼみに存在しているツボ。親指で押し上げるようにして刺激します。
自律神経を整える効果のほか、セロトニンと呼ばれるホルモンの分泌を正常化させる効果も期待できるため、ストレス性の抜け毛がある方におすすめです。
6. 百会とあわせて刺激するのがおすすめの「通天」
通天(つうてん)は百会から左右両側にわずかにずれたところにある2ヶ所のツボです。頭痛や鼻づまりの症状に効くほか、百会と一緒に刺激するとさらに効果が期待できます。
頭頂部は体中の経路が交わる部分なので、ここを刺激すると頭皮の血行が良くなり、白髪や抜け毛の予防にも良いとされています。
7. 頭皮トラブルにも効果が期待できる「合谷」
合谷(ごうこく)は手の親指と人差し指の付け根、骨と骨が交差しているところにあります。全身の痛みに効くとされ、頭痛や歯痛に効果のある万能のツボです。
古くから「面目は合谷に収む」と言われており、顔や眼の症状には特に力を発揮します。脱毛や円形脱毛症の予防、頭皮トラブルにも。
8. 顔のたるみ予防にも効果的な「角孫」
角孫(かくそん)は耳の上、髪の生え際部分にあるツボです。耳を顔のほうに折り曲げて、耳の先端が当たる部分が角孫の位置です。
頭皮の血行を良くするツボで、顔のたるみを予防する効果も期待できます。
より効果的なツボ押しを行うために押さえておきたい3つのポイント
1. 事前に入浴・シャンプーをして頭皮環境を良くしておく
まず、頭皮がきれいになった状態でマッサージを行うこと。頭皮の血流が良くなっていればさらに理想的です。これらの状態を満たせるのは、入浴・シャンプーをした後になります。
シャンプーをしていないと、汚れが頭皮に溜まって毛穴詰まりを起こし、そこから抜け毛のリスクが高まります。シャンプーの後は髪をきれいに乾かして、頭皮が乾燥しすぎないように育毛剤などで保湿を行いましょう。
2. 爪は立てずに指の腹やマッサージ器具を使う
ツボを押すときは若干強めに押すのが効果的ですが、爪を立てたり強く刺激する必要はありません。親指で押し上げたり、若干強めに指の腹で押しましょう。
自分の手指でマッサージをするのが面倒なときは、マッサージ器具を使ったり、頭皮マッサージ専用のアイテムを使うと余分な力をかけずに指圧ができます。
3. 5〜10秒程度かけてツボを押し続ける
頭部のマッサージは頭皮を揉みほぐすようにしていきますが、ツボには5秒から10秒程度力をかけます。指を離してから少し置いて、また5秒~10病程度押し、それをトータル5分程度繰り返します。
ツボ押しをする上で気をつけたい4つの注意点
効果が期待できるツボ押しですが、自分でする場合気をつけたい点もあります。
1. 消化不良のおそれがあるため食後30分は避ける
食事が終わったら、30分程度は消化に時間をかけましょう。食後すぐにツボを刺激すると消化不良につながる可能性があるので、しばらく待ってから入浴やツボ押しをしてください。
2. 効果が減少するため指圧直後の入浴は避ける
ツボ押しをした後に入浴すると、効果が減ってしまうと言われています。順番としては、食事→休む→入浴→ツボ押しもしくはマッサージを行うようにしましょう。
3. 発熱時や妊娠時は要注意!体調を見ながら指圧する
ツボ押しによってだるさが現れたり、筋肉や皮膚に痛みが出るようであればそれ以上の刺激は止めましょう。
熱がある時は血行を促進するツボ押しは逆効果になるため避けたほうが無難です。また、妊娠中も思わぬところで体に不調が現れる可能性があります。特に腹部などには子宮を収縮させるツボもあるため避けましょう。
4. アルコールが回りやすくなるため飲酒時の指圧は避ける
飲酒をしてアルコールが体に回っている状態では、血行促進につながるツボ押しはアルコールがさらに回りやすくなるため、思わぬ副作用を起こす可能性があります。アルコールに弱い方は酔いがさめてからツボ押しをするようにしましょう。
自分自身の施術が不安・面倒な人はヘアサロンも活用しよう
頭皮マッサージやツボ押しはいつでもできる方法ですが、本格的に育毛ケアを取り入れる場合は、正しい手順・正しいやり方で行うことが一番です。そこでおすすめなのが、育毛を専門に行っているヘアサロンです。
ヘアサロンではカウンセリングからその人の頭皮の状態を把握し、シャンプーなどのケアを行ってから施術に入ります。皮膚科などの病院でも薄毛の治療はできますが、病院は薬の処方など画一的で副作用の多い治療が基本であるのに対し、サロンでは入念なカウンセリングの後、最適なケア方法を提案してもらえます。
使用されるヘアオイルも髪や頭皮に保湿・育毛作用をもたらす成分が使われており、手技も頭部のツボを押さえながら行うので、目分量でマッサージをしても失敗するおそれがありません。
自分に合った方法で育毛ケアを始めよう
ツボ押しをはじめ、頭皮マッサージは頭部の血行を促進し、毛母細胞の活性化を促すため、薄毛予防や育毛に効果が期待できます。
正しい方法や注意点を守り、ヘアサイクルや体調に応じて行えばより効果が現れやすくなります。長い目で見なければなりませんが、普段から意識的にマッサージをしていけば、女性の薄毛にも効果が期待できるでしょう。
ツボは頭皮だけではなく、顔や首など全身にも効果を与えるものです。適度な指圧でリラックス効果を得て、体調を整えながら育毛ケアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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