髪は毎日必ず抜けていくものですが、あまりにも抜け毛が多いと薄毛が気になりますね。実は、ドライヤーの使い方によっては頭皮や髪に負担をかける可能性があり、使い方次第で薄毛を予防できる場合もあります。今回は、ドライヤーを使った薄毛予防の方法や、ドライヤーの選び方について詳しく紹介します。
Contents
ドライヤーの基本的な使い方のポイント1〜3
ドライヤーを使う前には、次の下準備を行うようにしてください。
まず入浴後に髪の毛を濡れたままにせず、タオルで軽く水気を押さえましょう。タオルで水気を吸い取ることによって、ドライヤーをかける時間が短縮できます。タオルを使い、指の腹で頭皮を軽く揉むようにして水気を取り除きます。
髪の毛の束はタオルで挟みながら押さえるようにして水分を吸い取らせます。毛量が多い場合はタオルを頭全体に巻いて少し時間を置いてからドライヤーに入るのがおすすめです。
次に、目の粗いコームやブラシで髪をとかしていきます。髪が多く絡まりやすい方や、パーマをかけている方は目の粗いブラシがおすすめ。密度の高いブラシには髪が引っかかり、キューティクルを傷めたり抜け毛の原因になったりします。
コームやブラシを使っても絡まる場合は、「アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)」を付けましょう。ドライヤーの熱から髪の毛を守りながら、摩擦からも髪をガードしてくれるアイテムです。コームの通りが良くなるので引っかかりが取れやすくなりますよ。
準備ができたら、以下のポイント1〜3を押さえてドライヤーを使用しましょう。
ポイント1.ドライヤーは髪から10cmほど離して上から下へと左右に振りながらあてる
髪をある程度とかしたら、ドライヤーをかけていきます。まず、ドライヤーと髪の毛は10cmほど離します。あまり近づけすぎると髪に高熱が伝わり、ダメージヘアの原因になるので要注意。
ドライヤーをつけたら、先に髪の根元、頭皮部分を乾かします。髪の毛のキューティクルは根元→毛先へと生えているので、このキューティクルの向きに合わせて上から下へとドライヤーをかけましょう。毛先は乾きやすい場所なので最後でも問題ありません。
ドライヤーは髪を散らすようにして、振りながらかけていくのが基本です。一つの場所ばかり重点的に風を当てるのではなく、上から下へと左右に振りながらかけていき、髪全体の8割が乾いているところで止めます。
ロングヘアの方は頭を下に向けてドライヤーをかけましょう。根本が乾かしやすくなり、髪全体にボリュームが出ます。髪が全体的に薄い場合も、ふんわりとブローするために軽く下を向いて根本を重点的に温めると良いでしょう。
8割が乾いたら、最後に冷風を全体にかけていきます。爆発しやすい髪質や、くせっ毛、広がりやすい髪型の方は、頭頂部をブラシか手のひらで覆って冷風を頭にかけ、ボリュームダウンした状態で乾燥させてください。
ポイント2.ドライヤーの温度は70度を上回らないように熱風を頭皮に近づけて長く当てない
入浴後や朝起きてから、ドライヤーをなにげなく使っている方も多いのではないでしょうか。実は、ドライヤーの使い方を誤ると髪の毛にダメージを与え、そこから切れ毛や抜け毛の原因になることがあります。
薄毛になる原因の一つは「熱によるダメージ」。髪の毛の表面を覆うキューティクルは熱に弱い性質があり、約70度を超えると温度で破壊されます。キューティクルが破壊された髪の毛はツヤがなくなり、切れ毛へとつながっていきます。
また、ドライヤーの熱風を頭皮に近づけて長く当てると、そこから肌の乾燥を引き起こします。肌が乾燥すると髪が育つための土壌がカラカラになり、せっかく発毛した髪が育ちにくくなる可能性も。
ドライヤーの距離は10cm程度が限度。離しすぎても、近すぎても効果がありません。もしも頭皮が熱くなる、赤みがさす、または髪の毛が熱くなる場合は、キューティクルや頭皮環境がダメージを受ける可能性があるため、適度な距離を保って正しく使いましょう。
また、近すぎる距離は肌荒れの原因にもなります。頭皮は顔の皮膚とつながっていますが、紫外線や外気に直接さらされる顔の皮膚よりも髪に守られている頭皮のほうがデリケートなので、熱によるダメージには注意してください。
ポイント3.ドライヤーを使わないと頭皮環境が悪化しやすくなる
ドライヤーを使わずに自然乾燥させたり、生乾きのまま過ごしたりしていると、髪が絡みやすくなりそこから抜け毛や切れ毛になりやすくなります。また、髪が絡んだまま乾いてしまうともつれが解きにくくなり、さらに抜け毛につながります。
髪が濡れたままの状態ですぐに就寝すると、枕との摩擦が起きてキューティクルが直接ダメージを受けてしまいます。ダメージヘアや強い寝癖の原因にもなり、翌日のヘアセットにも影響します。
余分な水分が付いたまま眠ると頭皮が蒸れて雑菌が増えるきっかけにもなり、頭皮トラブルや臭いが出ることも。シャンプーをした後、ドライヤーをかけるのが面倒になることもありますが、育毛のためにも髪はしっかりと乾かしてから眠るようにしましょう。
ドライヤーの効果的な使い方のポイント4〜7
ドライヤーは、シャンプー直後の濡れた髪にそのままかけると髪を傷めやすいのでNG。上記で紹介した手順に沿って行うことで、無理なく自然な髪に仕上がります。
さらに効果的なドライヤーの使い方を、以下から順番に紹介します。
ポイント4. ドライヤー前はタオルでガシガシ拭かずタオルの上から風を当てる
お風呂から上がってすぐに髪の毛を乾かしたい場合は、濡れた髪の上に乾いたタオルを被って、その上からドライヤーを当てていきます。このとき、タオルは大判のもののほうが多くの水分を吸収できるので効率的です。
タオルとの距離は10cmにとどめ、それ以上近づけるのはNG。また、タオルでガシガシと頭を揉むのも、髪のキューティクルにダメージを与えます。ポンポンと軽く髪にタオルを当てながら、ドライヤーをかけていきましょう。
毛先が濡れていても、髪の上のほうが8割乾いていればOK。冷風に切り替えて軽く全体を乾かして、後は毛先に残った水分をタオルで挟んで吸収すればOKです。
ポイント5.えり足から乾かしていく
髪の毛が密集しているえり足部分は、頭皮に近い根元部分でもあります。ここにドライヤーを当てて乾燥させてから、毛先まで順に乾かすことで髪が乾きやすくなり、キューティクルも傷めません。
ポイント6.髪へのダメージを考慮して冷風を当てる
熱による乾燥のさせすぎや髪へのダメージが気になる方は、最初から冷風を使ってもOK。ただし髪の根元は早めに乾燥させたいので、多少温度が高いほうが良いでしょう。
冷風は根元以外のすべてに使えます。お風呂の直後は水分を拭き取って、まず髪の根元を温かい風で乾かしてから、ざっと髪全体に冷風をかけて乾かしていけば効率的です。
お風呂の後、キューティクルは熱によって開いた状態になっていますが、冷風をかけることでぴったりと閉じるので、きれいな髪に仕上がります。
キューティクルが開きっぱなしになっていると髪の毛の栄養や成分がとどまらず、枝毛が増えたり髪がごわついたりしてしまうので、冷風も上手に活用してください。
ポイント7.育毛剤はドライヤーで乾かしてから使う
薄毛対策に育毛剤を併用する場合は、髪の毛を乾かしきった後に使用するようにしましょう。入浴直後、育毛剤を濡れた髪に振りかけると汗や水滴で育毛剤が落ちてしまいますし、髪が乾ききっていない状態でドライヤーをかけると、今度は熱で蒸発したり風の力で吹き飛ばされたりしてしまいます。
必ず入浴後にドライヤーを使ってから使用するようにしましょう。
育毛に効果的なドライヤーの選び方
温度調節ができれば根元の乾燥にも対応できる
育毛に使うドライヤーは、温風と冷風が切り替えられるものにしましょう。温風だけだとキューティクルが開いたままの状態でしか髪を乾かせず、冷風だけだと根元が乾きにくくなります。時間をかけずに乾燥させたい方は強風に切り替えられるものがいいでしょう。
コンパクトなドライヤーでも、風量が十分に確保できるものが出ています。温度と風量の両方を満たせるものであれば問題ありませんので、使いやすいドライヤーを選んでみてください。
除菌・脱臭・潤いを与える効果があるとされるプラズマクラスター付きのものを選ぶ
シャープ株式会社から2017年に登場したドライヤーは、同社の独自技術「プラズマクラスター」にイオン照射機能をプラスし、育毛ケアが可能となりました。
この育毛ケア機能というのは、薄毛治療の専門クリニック「新宿桜花クリニック」に試験を委託し、そこで確認されたものです。
新宿桜花クリニックが行った臨床試験では、20代から70代の男女115名を被験者に約3ヵ月間行いました。頭部の左右1ヵ所ずつに直径2cmの円を描くようにして剃髪し、臨床試験専用イオン発生装置を右側にのみ毎日約20分間照射。
この試験結果によると、被験者データを平均したところ3ヵ月後の増毛本数は左側と比べて約2.5倍という結果に。被験者の30代男性の3ヵ月後の増毛本数は左側が8.2本に対し、右側が約20.9本という結果に。
プラズマクラスターは除菌・脱臭のほか、肌や髪に潤いを与えるといわれています。そのため、ドライヤーをかけて乾燥しやすい皮膚に適度な潤いを与えながら、肌が乾燥しすぎるのを防いでくれます。
被験者の頭部を詳しく確認したところ、「頭皮水分蒸散量」「頭皮油分量」「フケかゆみ原因菌(マラセチア菌)」の抑制が見られました。このことからも、抜け毛につながりやすい頭皮環境をすこやかに保つ効果が期待できます。
ドライヤーの正しい使い方をマスターして育毛ケアを
頭皮環境が整っていなければ、髪の毛は容易に抜け毛や切れ毛になってしまいます。また、入浴後に髪を濡れたままにしておくと雑菌が繁殖するため、せっかく髪が乾いても頭皮にはよくありません。入浴後はドライヤーを正しくかけながら髪を乾かしましょう。
薄毛になる原因はドライヤーだけではなく、食事や睡眠などの生活習慣、遺伝体質や病気、服用中の薬などさまざま。もちろんその原因を特定するところから始めることが大切ですが、原因を突き止めた後は着実に育毛ケアを続け、髪と頭皮をいたわってあげましょう。
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