エクステ(ヘアーエクステンション)は、髪の毛の長さや印象を気軽に変えられるアイテムとして人気があります。しかし、残念なことに、エクステが原因で頭皮の炎症トラブルに悩まされる方も少なくないようです。
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エクステの仕組み:人毛やファイバー繊維などで作られた毛束をいくつかの方法で髪に装着する
エクステの装着方法には編み込み式・シール式・超音波式・ワンタッチ式がある
エクステの装着方法には、編み込み式、シール式、超音波式、ワンタッチ式があります。
編み込み式は、エクステの束と自分の髪の毛を三つ編みや四つ編みで編み込んで、細いゴムで縛って固定する方法です。しっかりと固定することができて取れにくいので、エクステが長持ちする定番の手法です。接続部分のゴムを切れば簡単に外すことができ、アフターケアが楽な点も人気の理由です。
シール式は、エクステの毛束に付けられた専用のシールと自分の髪の毛を挟んで留める方法です。装着部分の厚みが出ないため、髪の毛が短い人でもより自然な仕上がりになります。ただ、粘着力が弱くなると外れやすくなり、逆に粘着力が強いと簡単には外せないためサロンでのケアが必要です。
超音波式は、専用の機械に接着剤を入れ、それを溶かしながらエクステと髪の毛を接着する方法です。短時間で綺麗に仕上がり、装着部分も長持ちするため長くて重さのあるエクステをつけるのに最適です。ただし簡単に外すことができないので、美容院で専門の溶剤を使用してオフする必要があります。
ワンタッチ式は、エクステ部分にパチンとワンタッチで留めることができるピンが付いたものです。自分で簡単に取り外しができ手軽ではありますが、それなりの技術がないと綺麗に仕上がらないこともあり装着には練習が必要です。
エクステにより頭皮の炎症が起こる3つの原因
手軽にヘアチェンジを楽しむことができるエクステですが、装着方法によっては簡単に取り外すことができないぶん、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。特にエクステをつけたことで起こる頭皮の炎症トラブルは、非常に多く見受けられます。かゆみ・フケ・湿疹など症状も深刻度も様々です。
ここでは、そんな頭皮の炎症の3つの原因についてご説明していきます。
原因1. 編み込みやシールが邪魔になりしっかり頭皮を洗えていない
頭皮が炎症を起こす原因と考えられることの一つとして、しっかり頭皮を洗えていないことがあげられます。
エクステを付けた部分には編み込みやシールがあるため、それが邪魔になって頭皮まで手が届きにくい状態になります。また、エクステを長持ちさせるため接着部分をなるべく触らないようにしてしまうのも原因の一つです。
そうするとシャンプー時にしっかりと頭皮を洗えなくなってしまうので、頭皮に汚れや皮脂が溜まってしまいます。その汚れなどが溜まった部分に細菌が繁殖することで炎症が起こり、かゆみ・フケ・湿疹・赤み・腫れなどを引き起こすといわれています。
原因2. エクステに使われる溶剤やシールでアレルギーを起こしてしまう
エクステを接着する際の溶剤やシールなどの素材が肌に合わないこともあります。特に頭皮に近い部分は汗などをかいて蒸れやすくなるため、思わぬ化学反応を引き起こすことがあるようです。特にアレルギー体質でない方であっても、エクステをした後からかゆみ・湿疹などの症状が出る場合もあるので注意が必要です。
原因3. 頭皮の緊張や皮膚病への発展など頭皮環境が悪化してしまう
エクステをしたことで、
- エクステを付けている部分の引っ張りによる頭皮の緊張
- 汗や汚れが溜まって炎症を起こした部分が皮膚病に発展
- 頭皮が蒸れやすい状態
が起こるなど、頭皮環境が悪化して炎症が起こることもあるといわれています。
中でも危険なのが、皮膚病に発展している場合。頭皮の疾患で多いものは、乾燥性皮膚炎と脂漏性皮膚炎です。
乾燥性皮膚炎は、頭皮の血行が悪くなったり、潤いが足りなくなったりすることで起こるとされ、かゆみ・パラパラとしたフケ・頭皮の匂いが主な症状となるようです。症状が進行すると、かゆみが増しフケが大量に出るようになります。そのフケがエサとなり細菌がさらに繁殖したり、頭皮の臭い出てきたりして悪循環を繰り返してしまいます。
また、かゆい部分をかくことで頭皮に傷がつき、とびひのような厄介な皮膚病に発展することもあるといわれており、注意しなければなりません。
脂漏性皮膚炎は、皮脂コントロールが崩れて過剰に皮脂が出ることで起こるとされ、油分を含んだ塊のフケと頭皮の臭いが主な症状。かゆみはある方もいれば、ない方もいるようです。
脂漏性湿疹は、頭皮の常在菌であるマラセチアが何らかの原因で悪さをすることで起こるとされています。マラセチアは常在菌なので、本来は肌を守ってくれる存在です。乾燥性皮膚炎に比べて、よりしっかりとしたケアが必要なので少々厄介と言えます。
頭皮の炎症を防ぐための4つの対策法
エクステ装着による頭皮の炎症を防ぐには、適切なケアをするということが重要なポイントとなります。対策法を知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
方法1. 頭皮部分やエクステの接着部分の周辺・裏側をしっかりと洗う
先にご説明したとおり、エクステ装着部分には手が届きにくくなるため、頭皮部分までしっかりと洗えていない人は多いです。指の腹を使って毛穴から汚れを揉み出すようなイメージで、しっかりと洗っていきましょう。その際、エクステの接着部分の周辺・裏側も意識してください。
エクステ装着時は、何も付けていない時よりもさらに汚れや皮脂が溜まりやすくなっています。髪の量が多い方はブロッキングするなどして、一つ一つ丁寧に洗っていきましょう。
方法2. 定期的にエクステをしない期間を作って頭皮と髪を休ませる
エクステが髪の毛に与える負担は想像以上に大きいものです。休みなくエクステを付け続けると、頭皮の炎症やトラブルが増える原因となります。
そうならないためにも、エクステを付け続けずに頭皮と髪の毛を休ませる期間を必ず設けてください。また、毎回同じ場所に付けずに、少し場所をずらすなどの工夫もしてみましょう。
方法3. サロンでのメンテナンスで頭皮の状態に合ったケアをしてもらう
自分ではなかなかケアしづらいという方は、サロンでメンテナンスを受けるのも良いでしょう。
頭皮の汚れや緊張をほぐすには、クレンジングやヘッドスパがおすすめです。プロに任せれば、その時の頭皮の状態を把握し的確なケアをしてもらえますし、エクステの持ちを損なわずに施術することができるので一石二鳥です。
ただし、エクステを付けたサロンと違うサロンでケアする場合、どのような素材でどのように付けたのか、どういう症状が気になってケアして欲しいのかを明確に伝えることが大切です。
また、他店で行ったエクステのアフターケアを行っていないサロンもあるので、事前に確認した方が良いでしょう。
方法4. 正しい取り外し方や素材・ケア方法などを知っておく
エクステは、その手軽さから知識のないまま使っている方が多いことも事実です。これが最も恐ろしいことで、頭皮の炎症などトラブルを起こす原因はここにあると言っても過言ではないでしょう。
エクステの仕組み・取り外し方・素材・ケア方法などを事前に理解する、または施術時にきちんと説明とアドバイスを受けるなど、トラブルを未然に防ぐ努力をすることが大切です。
それでも炎症が起きてしまったときの3つの対処法
対処法1. 様子を見て症状の状態によっては医師に相談
軽度のかゆみ・フケ・乾燥などの症状であれば、頭皮専用の美容液や炎症を抑える成分が入った保湿剤などを使用し、様子を見てもよいかもしれません。
それで症状が治まるようであればよいですが、2週間以上症状が続く場合や症状がどんどん進行していく時には、速やかに医師に相談しましょう。
対処法2. 施術をしてもらったサロンでプロに相談する
施術を行ったサロンでプロに相談してみる方法もあります。
サロンによっては保証期間を設けているところもあり、アフターケアや取り外しなど無料または特別価格で行ってくれる場合があります。トラブルが起きた時に重要なので、どのようなサービスが含まれているのかをしっかり施術時に確認しておきましょう。
対処法3. 皮膚科に行き施術した日や症状の詳細を伝える
症状が軽いうちに、何らかの異変を感じた時点で皮膚科に行くのもおすすめです。その際は、詳しい状況がわかったほうがより的確に治療を進められるので、施術した日・施術内容・いつから症状が出たか・どのような症状なのかをメモに残しておくと良いでしょう。
頭皮は自分では見えにくいので、症状が進行してから気が付くことが多いです。手遅れにならないためにも早めの行動を心掛けましょう。
知識をもってケアを行い頭皮のトラブルを防ぎましょう
快適なエクステライフを楽しむために、正しい知識をもってケアを行い、エクステによるトラブルを未然に防ぎましょう。
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