「クセ毛」ともよばれる「うねり髪」には、先天的なものと後天的なのものがあります。日本人は比較的直毛の人が多いため、うねり髪で悩んでいる方のほとんどは、普段のヘアケアが原因で、後天的にうねり髪になっている可能性が高いです。
Contents
厄介なうねり髪!その原因は3つ
うねり髪の種類 | 特徴 |
---|---|
縮毛 | 毛が縮れた状態 |
波状毛 | 毛が波打った状態 |
連珠毛 | 数珠のように毛が凸凹な状態 |
捻転毛 | 毛がねじれている状態(日本人に多くみられる) |
1. 水分バランスが乱れたことで髪がうねる
うねり髪の代表的な原因が、髪の毛の水分バランスが乱れているということです。
以下のとおり、髪の毛には想像以上の水分が含まれています。
- タンパク質(ケラチンタンパク質) 約80%
- 水分 約11%
- メラニン色素 約4%
- 脂質 約1〜6%
髪を黒々とみせるメラニン色素の倍以上、水分量が髪の毛には必要ということです。それほど重要な水分バランスが乱れてしまうと、髪の毛にクセが出てきてしまい、うねり髪になってしまいます。
2. 頭皮の毛穴は歪んでしまい髪の毛が真っ直ぐに生えない
頭皮の毛穴は、加齢や紫外線、つまりなどの影響で、歪んできてしまいます。その結果、髪の毛の土台ともいえる毛根までも歪んでしまい、真っ直ぐな毛が生えず、うねった髪の毛になってしまいます。
3. 栄養不足や血行不良でも髪はうねる
栄養不足や血行不良でも髪の毛はうねってしまいます。水分バランスの乱れで紹介したとおり、健康な髪の毛を維持するにはタンパク質が必要です。タンパク質は肉や卵、大豆類などに豊富に含まれていますが、偏った食事や過度な食事制限などで、タンパク質が欠乏すると、髪の毛に影響が出てきてしまいます。
また、タンパク質を積極的に摂り入れたとしても、栄養を毛母細胞(髪を作り出す細胞)に送る血液が滞留していては、十分に髪の毛が育ちません。血液が滞る原因はさまざまですが、喫煙やストレスといった生活習慣の乱れからも血行不良は起こります。
また、血液は栄養に加え、酸素も毛母細胞に送り届けますが、喫煙をしていると、酸素も送り届けづらくなります。これは喫煙によって溜まった一酸化炭素が、酸素を押しのけて、血中のヘモグロビンと結びつくからとされています。
うねり髪を解消する方法
うねり髪を解消して、ストレートヘアを取り戻すには、紫外線対策、正しいシャンプーの実践、正しい食生活を送ることがおすすめです。
1. 紫外線対策をして水分を逃がさない
うねり髪の主な原因でもある、髪の水分バランスの乱れは、紫外線対策をすることが効果的。紫外線は毛髪に蓄えられている水分だけでなく、ケラチンまでも減少させます。そのため、外出する際は、帽子を着用したり、日傘をさしたり、余裕があればUVケアを万全にして紫外線対策をしましょう。
紫外線対策は4月からスタート!
紫外線は季節と地域、時間帯によって、降り注ぐ量が異なります。気象庁では東京の紫外線量の平均値を発表しています(1997〜2008 / 晴天時)。[注1]
この結果では、年間を通じてもっとも紫外線量が多くなるのは、7月の12時で、その量は、0からはじまる13段階評価で、8.7。「非常に強い」に分類されます。たしかに夏場は紫外線が強くなるのは、広く知られているので、納得の結果です。
しかし、意外にも4月の12時の数値は5.8と高く、分類としては限りなく「強い」に近くなっています。そのため、紫外線=夏場という意識は忘れて、4月から紫外線対策を本格的にはじめていく必要があります。[注1]
[注1]気象庁:日最大UVインデックス(解析値)の月別累年平均値グラフ
2. 皮の歪みは正しいシャンプーで解消
毛穴を歪ませるつまりは、正しいシャンプーを行うことで解消できます。毛穴につまる皮脂は、頭皮のニオイの原因にもなるので、しっかり洗い流せば、ニオイ解消にもつながります。
ステップ1. ブラッシングで髪をほぐす
髪を洗う前に、一度ブラッシングをして、絡んだ髪の毛をほぐしておきましょう。ブラッシングは髪をほぐすだけでなく、まとわりついてホコリや汚れを落とすうえでも大切です。
ステップ2. 36℃ほどのぬるめのお湯で髪を洗い流す
ブラッシングをした後は、36℃くらいのぬるいお湯で、髪の毛を洗い流してください。ブラッシングで落ちなかった汚れも、この洗い流し作業で落とせます。
ステップ3. 水気を切ってシャンプーの効果を引き出す
ぬるま湯で髪を洗い流したら、一度水気を取ります。水気をそのままにしとくと、シャンプーをつけたとしても、流れてしまい、泡立ちが弱くなってしまいます。そして、泡立ちが弱いと必要以上に髪をこすってしまい、頭皮を傷つける恐れがあります。
ステップ4. シャンプーは髪の毛ではなく頭皮につけるイメージで
上の3つのステップを経てからシャンプーをつけます。シャンプーは手につけた段階で、軽く泡立てるのがおすすめ。また、シャンプーは髪の毛ではなく、頭皮になじませるイメージで、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージも兼ねて揉みながら行いましょう。また、すすぐ際もシャンプーが残らないように、頭皮にシャワーを当てるイメージで洗い流しましょう。
ステップ5. リンスは頭皮ではなく髪の毛に練り込むイメージで
髪の毛は外から内側に向かって3層からなっており、もっとも外側に位置するのがキューティクルです。キューティクルはタンパク質や水分が失われないために働いており、リンスは、このキューティクルを引き締める役割を担っています。そのため、成分として油分が含まれており、頭皮に練りこんでしまうと、せっかく解消された毛穴のつまりが、また起きてしまいます。リンスをつける際は、シャンプーでは逆に、髪の毛ではなく、頭皮に練り込みましょう。
3. 生活習慣を改善させて髪の毛をケア
暴飲暴食、喫煙、ストレス過多、睡眠不足など、生活習慣の乱れは人の健康に悪影響を及ぼします。それは当然髪の毛もあてはまります。髪の毛の健康を維持するには、乱れた生活習慣を見直し、整える必要があります。
各種ビタミンを摂取して代謝と血流促進をはかる
毛髪を構成する要素はタンパク質ですが、タンパク質を運ぶためにも各種ビタミンを摂取して、代謝・血流アップをはかる必要があります。
ビタミンA 【レバー / のり など】 | ビタミンAは代謝を高めて頭皮の乾燥やかゆみといったトラブルを防ぐ |
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ビタミンB群【豚肉 / ナッツ など】 | タンパク質の吸収だけでなく頭皮の代謝も高める |
ビタミンC【レモン / ゆず など】 | コラーゲンやタンパク質生成を促進する |
ビタミンE 【モロヘイヤ / ピーマン など】 | 血行を促進させて髪に栄養が届きやすくなる |
これらを食事、場合によってはサプリメントなどを活用して摂取しましょう。
髪のうねりを改善すること=薄毛予防
髪のうねり改善として、紫外線対策、正しいシャンプー、生活習慣の改善などが挙げられます。これらのうねり改善対策、実はそのまま薄毛予防につながるのです。
紫外線は頭皮にも髪の毛にも影響を与える
紫外線は頭皮にも髪の毛にも悪影響を与えます。まず頭皮ですが、紫外線のダメージを受けると、皮膚を保護している皮膚膜が酸化してしまいます。皮膚膜が酸化すると、毛穴に炎症が発生。この炎症が皮脂を過剰分泌させてしまうのです。
皮脂が毛穴に詰まってしまうと、髪の毛の核ともいえる、毛母細胞の活動が制限されてしまいます。こうなってしまうと発毛の機能が損なわれてしまい、薄毛を引き起こしてしまいます。
頭皮が紫外線を浴びる量は顔の2倍以上といわれるほど。そのため、帽子を被るなどして、顔よりも入念に紫外線対策を行う必要があります。
間違ったシャンプー選びと方法は薄毛の原因になる
シャンプーは、爪を立てて思いきり行うと、頭皮の炎症を引き起こしかねません。また、シャンプーの成分が体質にあっておらず、肌荒れを起こしてしまうこともあるので、シャンプー選びは慎重に行いましょう。
生活習慣の乱れは薄毛を促進させてしまう
生活習慣の乱れは、うねり髪同様、薄毛を促進させます。たとえば、偏った食事やストレスを抱えた生活は、ホルモンバランスを崩し、抜け毛を促進させてしまいます。
薄毛が気になりはじめたらはやめに対策
うねり髪と同様の原因で進行していく薄毛。気になりはじめたらはやめに対策を講じましょう。
睡眠は6〜8時間はとる
睡眠はうねり髪、薄毛に限らず人の健康を維持するのに欠かせない行動です。これは、睡眠中に髪の細胞、頭皮の肌細胞を生み出す「成長ホルモン」が活発に分泌されるからです。また、就寝時間にばらつきがあると、自律神経が不安定になり、血管の収縮につながってしまいます。
髪の毛の健康に重要な役目を果たす睡眠ですが、厚生労働省では、「健康づくりのための睡眠指針 2014」内で、日本人(成人)の睡眠時間は、6〜8時間が標準的としています。[注2]
まずは、6〜8時間の睡眠がとれるような1日のスケジュールを立てていきましょう。
[注2]厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針 2014[pdf]
シャンプーは合成界面活性剤入りを避けてアミノ酸系を選ぶ
薄毛対策としてシャンプーを選ぶ際は、ラベルに書かれた成分表を確認してから選びましょう。ここで注意したいのは、合成界面活性剤が含有されたものは避けるということです。界面活性剤とは、2つの物質の境界に作用して、性質を変える物質のことです。
例えば、水とラブは混じり合いません。ですが、ここに石鹸を入れると、水と油は混じりあい。この石鹸の役割が界面活性剤にあたります。
合成界面活性剤が使用されているシャンプーは、泡立ちがよいうえに、安価なため広く使用されていますが、洗浄力が高く、頭皮から皮脂を必要以上に洗い流してしまいます。皮脂は多くすぎると毛穴につまり、うねり髪の原因になりますが、少ないと頭皮が乾燥して、抜け毛を引き起こしてしまいます。
シャンプーは、合成界面活性剤入りではなく、アミノ酸系のシャンプーを選びましょう。アミノ酸入りのシャンプーであれば、頭皮への刺激が低いうえに、適度な洗浄力で必要以上の皮脂を洗い流す心配もありません。そのためうねり髪、薄毛対策に最適といえます。
ノンシリコンだから安全というわけではない
現在、ノンシリコンシャンプーが多く販売されています。ノンシリコンとは、キューティクルをコーティングするシリコンが配合されていないシャンプーです。
ノンシリコンシャンプーは、成分表にジメチコン、ジメチコノールといったシリコン成分が表記されていないかで判断できます。
ノンシリコンであることが、頭皮、髪の毛に悪影響を及ぼすとはいえませんが、ノンシリコンシャンプーでありながら、合成界面活性剤を使用しているシャンプーもあります。これではノンシリコンである意味がありませんので、ノンシリコンだからと安心せず、しっかり成分表を確認しましょう。
生活習慣の改善とシャンプーの見直しなどでうねり髪と薄毛対策ができる
十分な睡眠時間やストレス解消、暴飲暴食の改善に加え、紫外線対策、適切なシャンプー選びをすることで、うねり髪を解消できるだけでなく、薄毛対策もできます。少し髪がパサついてきたな、抜け毛が増えてきたなと感じたら、ぜひ実践してみてください。
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